2011年03月04日
reef sound -来間島歳時記- №012
冬から春にかけて季節が移り変わるこの頃、パッチワークのようにつながった島の畑は、日一日と色彩を変えていきます。サトウキビ畑はハーベスターで刈りとられ黄土色のパーガラだけが残り、野焼きの炎に覆われた後には、黒い燃えかすと褐色の大地に変わるとトラクターで耕され、カボチャが植えられたりと日毎に様相を変えていくのです。そんな大地の色の変化を空にポカリと浮かぶ雲に寝転がって、天空から眺められたら素敵だろうなあ・・・。
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2011年02月04日
reef sound -来間島歳時記- №011
旧暦のお正月を迎えた離島の離島、来間島でひょんなことから農家の嫁になった砂川葉子が今月ものんびりとつぶやきます。南国の島の冬の寒さについてと、そんな冬のささやかなお楽しみについて。さぁてどんなつぶやきなのか、ちょっと耳を傾けてみましょう・・・。
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今年は全国的に寒さが厳しく雪も多いようで、ここ宮古・来間島も例年より寒いように感じています。クリスマスあたりから荒れた天気が続き正月も底冷えするほどに寒く、そのあとも雨がちな天気が続き、空は分厚い雲におおわれて太陽は閉ざされたまま。こうも悪天候が続き、お日様がのめないの日々は、農家にとっては苦しい日々となります。 続きを読む
2011年01月07日
reef sound -来間島歳時記- №010
離島の離島、来間島にも新しい年がやって来ました。新年一発目の“葉っぱのつぶやき”は、もちろん島のお正月の風景。さてさていったいどんなお正月を迎えているのでしょうか?
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新年あけましておめでとうございます!
今年も「来間島歳時記」並びに、「来間島の徳さんちの畑」をよろしくお願い申し上げます。
さてさて、やって来ました飛び跳ねる兎年の2011年。今年は例年にないピシーピシーな正月を迎えております。そして厚く垂れこんだグレーな雲の切れ間から、ようやく初日の出を拝む頃、島の公民館に設置されたスピーカーから突如、唸り初めます。
その声の主は来間の区長さんだったり、有志の島の青年だったり、ただのオジサンだったりします。これはなにかというと島の恒例の新春放送で、スピーカーを通して島の皆さんに新年のご挨拶を申し上げているのです。その内容は今年の豊富であったり、切々と語る演説であたったり、さまざまな蘊蓄であったりします。 続きを読む
2010年12月03日
reef sound -来間島歳時記- №009
離島の離島、来間島の農家の嫁である砂川葉子がつぶやく今月のテーマは、農業を営むものとして気を揉むほどに不順な島の天気にあれこれ悩まされつつも、宮古口(みゃーくふつ)と歌を語ってくれました。どんなつぶやきか、耳を傾けてみましょう・・・。
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今年の宮古の秋はちょいと天候不順気味。10月末は季節外れの台風、11月は連日の長雨。10月中旬から下旬にかけて、ごうら(ゴーヤ)の植え付けを予定していた私たちは、予測のつかない天候に振り回され、毎朝、天気図を何度も見返しては、空とにらめっこする日々でした。雨が続けば島特有の赤土の畑はドロドロにぬかるんで歩くことも難儀になって作業に支障をきたすし、天候不良は日照不足になって生育の遅れも見受けられると、ひたすらにお天道様が恋しいのでした。
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2010年11月05日
reef sound -来間島歳時記- №008
大地と語らう来間島の農家の嫁である砂川葉子の今月のつぶやきは、秋の集落行事がひと段落したところにやって来る、来間最大の祭祀「ヤーマス・プナカ」について、葉っぱ流に色々とあれこれと語ってみまたのでした。
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運動会に敬老会と週末毎に行われた地域行事がひと段落した9月末。ほっとしたのも束の間、旧暦九月甲午(きのえうま)の日に行われるヤーマス・プナカ(御願/ウガン)が待ち構えていたのでした(今年は10月11~12日)。
ヤーマス・プナカとは来間に伝わる島を救った三兄弟の伝説をもとにした、来間島で行われる最大の祭祀で宮古島市指定の無形民俗文化財でもあります。
長男家をスムリャー、次男家をウプヤー、三男家をヤーマシャーといい、来間島の人は誰もがこの三つのモーヤー(本家)のいずれかをルーツとする、三兄弟の血を引く末裔なのである。ヤーマス・プナカが行われる際は、それぞれのモーヤー(本家)に集って一族で神事を執り行ないます。そのために日ごろは郷里を離れて暮らす人たちも、この日のために全国各地から島へと戻って来るので、島の人口がいつもの2~3倍に膨れ上がり、いつもにも増して賑やかなお祭りモードで盛り上げてくれるのです。ちなみに砂川家は次男家のウプヤーがモーヤー(本家)です。 続きを読む