2008年11月21日
ビデンスピローサ物語
今、宮古島で静かに注目を集めている雑草があります。亜熱帯から熱帯地域にかけて広く自生しているキク科のビデンスピローサ。和名は「タチアワユキセンダングサ」といいハーブの一種でもあります。宮古口(みゃーくふつ)では「ムツウサ」と呼ばれていますが、とりたてて珍しい草でないことから、雑草扱いされている植物です。
そんなビデンスピローサ(この名称は学名)が持つ、優れた効果効能に注目し研究開発された、天然素材の化粧品が宮古島で誕生しました。
長年、宮古ビデンスピローサの研究開発をおこなって来た武蔵野免疫研究所によると、多くの医師による臨床試験や、大学での研究成果で科学的な根拠が実証がされ、ビデンスピローサから抽出されるビデンスピローサエキスには、アトピー性皮膚症状や花粉症、ぜんそくなどのアレルギー症状に高い効果があることでした。中でも宮古島産のビデンスピローサは、他の地域のものに比べ、とても高い効能が含まれているのだそうです。
なぜ宮古島産が優れているのかは定かではありませんが、隆起珊瑚礁由来のアルカリ性でミネラル分が豊富な土壌と、海からの豊富なミネラル成分を含む風や、強い紫外線、高い気温、台風災害といった厳しい自然環境を生き抜く抵抗力と回復力を持ち、たくましく育つ生命力の強さなどが考えられています。

肌質はひとりひとり異なり、化粧品による肌のトラブルに悩まされる方も多いといわれており、武蔵野免疫研究所では研究を進め、宮古ビデンスピローサの持つ天然の抗炎症成分が、肌の炎症を抑える効果を活かした敏感肌にもとても優しい副作用のない化粧品を開発。
一般的な化粧品の原料に含まれる炎症を抑える化学成分では、副作用が強いため0.5%程度しか入れることは出来ないのですが、宮古ビデンスピローサは天然由来の成分なため30%の高濃度配合されています。もちろん天然成分、無添加へもこだわり、香料や防腐剤、鉱物油などの化学的な原料は一切使用せず、20種類もの天然植物エキスを積極的に配合して完成しました。

宮古島で栽培研究を始めた頃は「雑草なんか植えるな」と地元の農家に怒られたり、効能の研究説明会を開催してもなかなか理解を得られないなど、ビデンスピローサが雑草であるというイメージを払拭できず、初めはとても苦労をされたそうです。
ビデンスピローサの可能性の大きさと、サトウキビなどより耕作管理が楽で、収益率が高い農作物として注目され、新たな島の特産品にむけビデンスピローサを栽培する農家も34戸650アールに増え、農薬や化学肥料を使わずに緑肥だけで栽培をおこなっているそうです。
ただ、宮古島ではサトウキビや葉タバコなど農薬を使用する作物の栽培が盛んなため、こうした畑に散布された農薬が飛散してきたり、雨水などによって流れ込んで来たりすることの少ない農地を選ぶ難しさが、栽培を拡大する妨げにもなっているそうです。もしも出来ることならば、雨水が地下水へと還元してゆく地下ダムの上を、すべてビデンスピローサ畑にして、より環境に優しく安全な農業へつなげてゆきたいという思いもビデンスピローサには込められているのでした。

また、宮古島の農業振興へ貢献するだけにとどまらず、ビデンスピローサのエキス抽出などの原料製品加工についも島内で行われてており、栽培、生産、加工、販売、研究の各分野へも波及し、雑草といわれたビデンスピローサが宮古島だけにしかないモノとして、今、島興し事業として大きな注目を集めています。

おわりに。
雑草と呼ばれ宮古島のどこにでも咲いているビデンスピローサだけに、その生命力は非常に強く、花が咲く前に根元から刈り取って収穫するそうなのですが、刈り取ったものをそのままにしておくと、根を切られたビデンスピローサは生命の危機を察して、一気に花を咲かせて種子を残そうとするのだそうです。
ここにもビデンスピローサの自然の力の凄さが見えるような気がしました。きっと新たな宮古島ブランドとして、花を咲かす日も近いのではないでしょうか。

むさしのイミュニティーグループ(HP)
株式会社 武蔵野免疫研究所(研究開発)
株式会社 うるばな宮古(加工販売)
農業生産法人 かぎすま宮古有限会社(栽培生産)
※農水省・経産省 農商工連携88選 (pdf) 2008年受賞
ウルバナMMBP化粧品 販売先
わしたショップ、オキナワ宮古市場(オンラインストア)など。
(文+写真+編集:モリヤダイスケ 取材協力+写真提供:武蔵野免疫研究所)
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