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2010年05月18日

んみゃーち!PEACE 下地島

んみゃーち!PEACE 下地島
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」。おおむね日本列島の大半の5月はそんな感じでしょうが、こちら沖縄はゴールデンウィークが明けてすぐに、ひと足お先に高温高湿度の梅雨へと突入しております。どんよりとした鉛色の雨空を恨めしげに見上げながら、これより平良港を出港します。
復帰から38年目の2010年5月15日。県内各地ではさまざまな平和集会が開催される中、伊良部島で「んみゃーち!PEACE市民の会」が主催するちょっと面白い平和イベントが開催されると聞きつけて突撃して見ることしました。

※     ※     ※     ※

この日、伊良部島で初めて開催されたピースイベント「んみゃーち!PEACE 下地島」の主旨は、米軍普天間基地の移設候補地のひとつとして、その名前があがった下地島空港を抱える島から、5月末の政府の最終決定を前に市民の意思を政府に対してアピールし、ひとりひとりが身近なところから平和へのアプローチを考えるという平和活動集会。
主催は今年4月25日にも「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」に連動する形で、下地島空港の一部をレインボーテープで囲う「レインボーアーチ」という平和へのメッセージ込めた活動を行った「んみゃーち!PEACE市民の会」。
んみゃーち!PEACE 下地島
今回のイベントのプログラムとして紹介されていた内容は、多種多様なジャンルのPEACEライブ、戦中体験談の語り継ぎ、基地問題パネルディスカッション、PEACEワークショップ、屋台コーナー、ヒーローショー、フリーマーケット、子供向け豪華景品つきゲームなど、とっても盛りだくさんな内容に心惹かれてやって来ました(以上、主催者Blogより趣意抜粋)。

当初、佐和田浜に近い「平成の森公園」の野外ステージで開催される予定でしたが、前日から続く大雨の影響もあって、開催場所を屋内の伊良部中央公民館へ変更するアクシデントにも見舞われ、11時開始のイベントは20分ほどの遅延で始まりました。

んみゃーち!PEACE 下地島幕開けにはなんと「ハーニーズ佐良浜」が登場。そう、あの東京から届けられた熱狂のスペシャルレポート「宇宙とヒトをつなぐもの」でも紹介された、伊良部の元ツカンサマたちによる神歌のステージから。噂にたがわぬ神秘性を秘めそのた圧巻の歌は、島から宇宙へと繋がるトランスソングそのものだと実感。
なんでも聞くところによると、「ハーニーズ佐良浜」が島の人々に向けて歌うのは今回が初めてに近いことだそうです。そもそも神歌はツカサンマたちが御嶽などで行う祭祀に歌うものなので、このようにステージで大勢の前で披露されたことはなく、短い時間ではありましたがとても貴重な機会となりました。
んみゃーち!PEACE 下地島次にステージに登場したのは、近年、宮古で高い人気のフラ「プアエナ宮古」の伊良部チーム。全体では30名近くのメンバーが在籍しているフラチームで、島内のさまざまなイベントに出演して艶やかなダンスで魅了しています(7月に本島で開催されるムーンビーチルアウにも参加予定とのこと)。今回は伊良部で開催されるイベントということで、伊良部在住のメンバーで構成されたチームが華やかなフラを披露しました。
一転して、今度は宮古高校の高校生を中心としたダンスチームによる、若さあふれるエネルギッシュなパフォーマンスが始まりました。チームの中にはひとりだけ伊良部高校の生徒もいるそうで、軽快な音楽にあわせて激しいダンスを見せてくれました。
んみゃーち!PEACE 下地島ここまで一気にステージでのプログラムが進められたところで、入口前の飲食ブースにて巨大カンパチの解体ショーをすると案内され、ぞろぞろとお客さんはホールを後にしてしまいました。ちょうどお昼時というタイミングもあって、思い思いにお客さんたちはランチタイムへとなだれ込んでゆきます。この時点でスケジュール進行はなんと約40分押し・・・。
んみゃーち!PEACE 下地島期せずして突入してしまったランチタイムを切り上げる形で、20分遅れでお馴染みの重ちゃんのライブステージが始まりました。さらにアフリカン楽器のJYAFRICAN、チームクォーターによる四竹島舞と、バラエティに富んだステージが賑やかに続きます。ところが一度ホールを出て食事を始めてしまったお客さんが、中へと戻って来るには少しばかり時間が必要だったようすで、このあたりは島っぽいのんびりさに溢れていました。
んみゃーち!PEACE 下地島この平和イベントの目玉としてプログラム上で45分もの時間を割いている、パネルディスカッション「伊良部でしゃべり場」がやや遅れで始まりました。米軍基地問題などをテーマとした討論に、ようやくピースイベントにふさわしい雰囲気となりました。
下地島空港のあり方についてパネリストが提言して語っていた、世界各地で発生するさまざまな災害に対して、迅速に被災した現地へと駆けつけられる国際災害救助隊の基地として活用するアイデアは、ついつい下地島空港からスーパーメカが飛んでゆく、「サンダーバード」の基地を想像してしまった部分もありましたが、軍事力によらない上に社会貢献度も高く、有益度や実現性もあるなかかな面白い考え方だと感じました。
んみゃーち!PEACE 下地島プログラム遅延のために15分ほど早くパネルディスカッションは打ち切って、どうにか遅れを取り戻しつつあるところで始まったのは、超地域限定のローカルヒーロー「龍神イラブー」のヒーローショー。
イラブー(エラブウミヘビ)の冠、石敢當のボディ、うずまきパンのベルト、大漁旗のマント、そして肩にサシバの羽を生やしたローカルヒーロー・イラブー。なんともゆるゆるのベタベタな寸劇が会場を大きく沸かせます。筋書をもう少し観客にアピールできる演出(効果やナレ)を工夫すれば、キャラのパクリ感は否めませが今後の(島での)活躍が期待したくなる、とっても激レアなローカルヒーローでした。
んみゃーち!PEACE 下地島ステージはヒーローショーをはさんだ構成で、ピースイベントらしさのあるプログラム「戦争体験語り継ぎ」へ移ります。かの太平洋戦争を小学生の時に島で体験した記憶を語る、とても意義あるお話をしてくださいましたが、25分では語りつくしきれず、惜しむらくはタイムアップとなってしまいました。機会があるならば、こうした取り組みはもっとじっくりと聞いてみたいものです。
んみゃーち!PEACE 下地島見たところイベントには宮古からやって来ている人も多く、一時、かなり進行に遅れが出ていたので、夕方の最終フェリーの出港に間に合うかと少し心配していましたが、プログラムもどうにか遅れを取り戻して、ほぼタイムスケジュールどおりに回復してきました。
ですが、「ジカンニカギリガアリマス」。今度はこちらがタイムアップとなってしまいました。いつもなら最後までしっかりレポートをするのが「あんちーかんちー」流なのですが、本日は諸事情により宮古へと戻るフェリーの時間が迫ってきてしまったので、いつくかのプログラムを残して会場を後にすることに・・・。

38回目の復帰の日に初めて開催された「んみゃーち!PEACE 下地島」は、天候不順による会場変更といったアクシデントにもかかわらず、さまざまな催しを盛りだくさんに組み込んだイベントとなっていました。ただ、ピースイベントとしては掲げているイベントの主旨に比べてメッセージ性にやや乏しく、どことなくエコっぽい方向だったり、ライブを楽しむための内容だったり、縁日のようなお祭気分だったりと、身近なところから平和へアプローチするイベントとの関連性があまり見えず、軸の置かれている場所の判り辛さが残りましたが、島発信という取り組みとしてはとても意味のあるイベントではないかと感じました。

※     ※     ※     ※

「んみゃーち!PEACE 下地島」
期日 2010年5月15日(日)
会場 伊良部中央公民館
http://nmyachipeace.ti-da.net/

(文+写真+編集:モリヤダイスケ)





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Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(1)あんちーな特集
この記事へのコメント
一歩踏み込んだ報告、ありがとうございました。
私のブログでも紹介させていただきました。
http://herbvera.ti-da.net/(伊良部島ハーブベラ畑)

取材の時、声をかけさせていただきましたが、目が鋭かったものですから、なにか批判的な怖い方なのかなーと感じたのですが、(無論、それでもいいのですが)、「読めば宮古」(愛読してます)のお仲間なのですね。
報告では、パネルディスカッションの「サンダーバード」構想も取り上げてくださって、ありがたいと思いました。
そうなればいいと思っています。
マイナスのエネルギーを投げ合うのは、時代遅れです。
全く、時間と力と金の無駄遣いです。

私のブログでも、今回のイベントで得られた、様々な事柄について、書きました。
途中で帰られたとの事ですが、よろしかったら、読んでいただき、コメントを下さるとうれしいです。

実りの多かったイベントだと思っています。
深く、広く、ゆるく、 メッセージ性はあったと思います。
これから、ふりかえりと今後への話し合いになると思います。

よき出会いに感謝!
HP・ブログを通しての交流もしていきましょう!!
されど宮古!!! 
Posted by ちかさん at 2010年05月29日 08:52
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