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2010年07月13日

サニツ浜カーニバル2010

サニツ浜カーニバル2010
三角形をした宮古島の左下あたり、下地地区にある与那覇湾に面した通称・サニツ浜で今年も「サニツ浜カーニバル」が開催されました。
かつて旧暦の三月に浜へ下りて海水で体を洗い清める「浜下り(はまうり:サニツ)」の頃に、島内の各地から多くの人びとが集まり、宮古角力や浜競馬、伝統芸能を楽しむサニツの行事として古くから親しまれていましたが、いつしかこの伝統行事は途絶えてしまいました。1991年に当時の下地町と宮古広域圏事務組合が伝統行事の継承を目的に、干潟の祭典「サニツ浜カーニバル」としてイベントを復活させ、今年で20回目を迎えました。
開催時期は旧暦三月の浜下りの季節から、真夏の大潮の日へと変わりましたが、700ヘクタールにもなる広大な干潟を舞台に、さまざまなレクリエーションをたくさんの人たちが楽しんでいました。

サニツ浜カーニバル2010
天気は青空に夏雲が眩しい快晴。午前中からジリジリと焦げるような陽射しのもと、サニツ浜カーニバルの開会宣言に続き、下地地区の伝統「なますぬぐー」 「与那覇のヨンシー」 「下地原ヌクイチャー」が華やかに披露され、開会式のセレモニーが終了すると、いよいよ最初の種目「水中駅伝」がスタートです。

サニツ浜カーニバル2010
この競技は膝丈ほどの水位で、走りにくい状況で行うのが醍醐味なのですが、予想以上に潮の引きが早く、あっという間にくるぶしほどにまで水位が下がってしまい、体力自慢のチームに有利なレース展開となりましたが、競技用のトラックとは違って、水しぶきを上げて走るその姿はやっぱり走り辛そうです。
次第に姿をあらわし始めた広大な干潟は、大きな自然の息吹を感じさせてくれます。
サニツ浜カーニバル2010
続いて行われたのは、水を含んでぬかるみやすい砂地の上での綱引き(中学男女・一般男女の4カテゴリー)。なかなか力が入らない干潟の上では、優勢を誇っていてもコケて一気に勝負がついてしまうこともあり、単純な駆け引きだけでは優劣がはかれない面白さが白熱した勝負を楽しませてくれます。
サニツ浜カーニバル2010
潮が引き、満ちるまでの間にあらわれる干潟を利用して、さまざまな競技が一斉に始まっていました。泥まみれになりながらボールを追うビーチドッジボール。水しぶきをあげながら果敢にドリブルを刻むビーチサッカー。真剣勝負に大きな歓喜の声が飛ぶビーチバレー。小さな子供たちは砂の中に隠されたた宝を探すのに濡れるのも忘れて夢中。
どの競技も強い陽射しにまけない熱気にあふれ、文字通り干潟の上はカーニバルとなっていました。
サニツ浜カーニバル2010
サニツ浜で行われる宮古馬による浜競馬は、今から300年以上も前に与那覇集落の青年たちが旧暦の三月三日に、馬の速さを競ったのが始まりといわれるほど古い起源がある種目。
6頭の宮古馬が出走して争われた浜競馬ですが、元々は農耕馬だけにレースには長けていないようで、走る気が満々の馬は勢いよく干潟を疾走して勇姿を見せてくれる一方で、騎手の思惑通りに走ってくれない馬たちは、浜辺を気ままに散歩するような姿に会場の笑いを誘っていました。
サニツ浜カーニバル2010
息のあったチームワークがものを云う10人11脚競争は、はつらつとした女子中学生チームの若い力が今年も躍進する中、地道な走りでトーナメントを勝ち進み、4強へと食い込んだ県農林水産整備課のおじさんチームの大健闘もあって大いに盛り上がりました(最終的には3位決定戦に破れ、残念ながら賞状・賞品もでない4位に終わる)。
サニツ浜カーニバル2010
干潟会場での最終種目はサニツ浜カーニバル名物、200キロもあるソリを引く人間輓馬競争です。すでに選手によっては何種目もの競技をこなしての出場なので、さしもの怪力自慢も途中で息切れしてしまうほどのガチなパワー系競技。
イベントのパンフレットを見て気づいたのですが、協賛企業に建設系の企業がずらりと名前を連ねており、どことなくガテン系の選手が力自慢を競うような競技が多い理由はこのあたりあるのかも知れません。
サニツ浜カーニバル2010
もうひとつサニツ浜カーニバルには目玉の競技があります。競技は干潟でなく土俵で行われる宮古角力(すもう)です。沖縄の相撲は江戸相撲とはひと味違う格闘技で、島の人にも根強い人気があります。
特に今年は本島で話題の女性力士・大城梨紗が個人戦に参加するとあって注目が集まっていました。結果は軽量級で並みいる男性力士を次々と破って見事に優勝を飾ります。
サニツ浜カーニバル2010
最後に与那覇湾の干潟の広がり、サニツ浜の潮の満ち引きの様子を簡単に紹介してたいと思います。
サニツ浜カーニバルが開幕した9時頃は、水深はかなり浅くなってきていますが、まだ潮は引ききっていません。ビーチバレーなどのコートはこのあと、もう少し潮が引いてから設置されます。
午前11時を廻る頃には大きく潮が引き、汀線は遥か彼方まで下がっており、対岸の川満まで歩いていけそうなほどになり、干潟での競技も最盛期を迎えます。
すべての競技が終了した17時頃になっても、まだまだサニツ浜には大な干潟が広がっていました(徐々に潮は満ちてきています)。
イベントのエンディングはハートフルな砂川恵理歌と、元気いっぱいのパニパニジュニアのライブが催され、素敵で楽しいライブが名残惜しげに終了した18時頃には、広大な干潟はすっかり姿を消し、まるでなにごともなかったかのように与那覇湾は、満々と海水を湛えた海となっていました。
こうして地球規模で引きおこされる大自然の摩訶不思議をも魅せてくれる、サニツ浜カーニバルは静かに幕を閉じたのでした。

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牧志ウガン奉納大角力大会/ryuQ
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)





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