宇宙とヒトをつなぐもの-スペシャルレポート1-

あんちーかんちー編集室

2010年02月16日 09:00


今回の「あんちーかんちー」はスペシャルなイベントレポートをお届けいたします。レポートを寄せてくれたのは「思えば宮古」の宮国優子と、同郷・宮古の友人でもある本村佳世のおふたり。東京から届いた宮古なレポートは一回では収まらないほど、熱量のとても高いレポートとなっていましたので、異例の短期連載にてお送りいたします。それではそれでは壮大なプロローグからお楽しみ下さい。

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先月、17日に行われた素敵なイベント。題して、科学と芸術の集い 『宇宙とヒトをつなぐもの』。
-古代~最新の宇宙図と南島の神歌・古謡-というサブタイトル通り、講演やコンサートだけではなく、新しく出来たばかりの日経ホールのロビーには、所狭しと展示がなされ宇宙が盛りだくさんでした。

我らが宮古の伊良部島からはハーニーズ佐良浜さんが出演。イベントの大トリを飾りました。
会場にあふれる600人近くの人を時空をこえて、伊良部島の御嶽にいざなってくれました。
歌姫は何歳になっても歌姫です。神に向かって、歌い続ける、というか、訴え続ける様子は、宮古の古代すらもかいまみえて、胸が熱くなりました。トランスしかけました。
この臨場感を地元にも、そして宮古に関わるすべての方にもお伝えしたかった、ということで、熱い三部作を私ども、宮国優子と本村佳世が個人的、宮古的視点でお送りします。
写真と出演者の豪華さに、お洒落すぎて高尚な世界か、と一瞬思ったあなた。
私どもで良ろしければ、いいかげんな宮古人(みゃーくぴとぅ)DNAでご案内いたします。
関係各所に失礼のない程度に(そーです、そうなんです。なにせ宮古の常識は、日本の常識ではありませんので・・・)。

まずは、全体のラインナップ。どの部も個性的。色とりどり。
どの惑星ひとつ欠けても宇宙はつまらないぜ、そう思える講演者の皆様でした。
個人的には、脳内がスパークするほど、だいずうむっし(とても楽しかった)です。
印象に残ったひと言を加えつつ、さらっとご紹介いたします。

[第一部:最新の宇宙の姿] 講演 小阪淳(美術家)・小久保英一郎(天文学者)
「今見ている星の光は、何万年、何億年も前の光」。
どちらの方がおっしゃったのか、今や忘却の彼方なのですが、お二人の話からすると、宇宙に関わるすべての単位が気が遠くなりそうな単位でした。
"宇宙はなぜ、存在するという面倒なことをするのか?ースティーブン・ホーキング博士"と、いう言葉も飛び交い、宇宙の壮大なお話を美しいコンピューターグラフィックで表現されていました。
美術家・小阪淳 さんが「宇宙に興味を持ったきっかけは天文学者・小久保英一郎さんです」と紹介し、遠く離れた客席からもわかるほどの固い友情と溢れ出る情熱に拍手でした。

[第二部:古代の宇宙観] 講演 後藤 明(文化人類学者、考古学者)
「海は宇宙、島は星」。一瞬、首をかしげるような言葉ですが、そのお話は聞けば聞くほど前のめりになりました。
南洋の海人たちが編み出した教育システム、スターチャート。
砂浜などに貝殻で作られたスターチャートを航海者は覚え、自由自在に海を渡り歩く。加えて、波のうねり、月、風、動物を使って航海するそうだ。
「まるでカーナビに近い感覚なんです」とおっしゃっていた。古代人の天体への感覚は、人類の歴史まで内包している。そう思わずにいられない、納得満載の講義でした。
宇宙図と航海図、そのシンクロに私たちのような現代人は打ちのめされるのでした。

第三部:神歌・古謡のコンサート] UA(歌手)、ハーニーズ佐良浜(from 沖縄・伊良部島)
言葉になりません。ありきたりな美辞麗句しか浮かばないのが言葉の力の限界を(いや、書き手のか)感じます。
ライブとはまさに小宇宙。あの濃密な空間は再現不可なのでしょう。
先に書いた、ウタキへトリップにまさる言葉が浮かびません。チャクラが開きかけました。
この模様は次回、じっくりと、神歌とともにお伝えしたいと思います。

そして、この方のナレーションがあったからこそ、すべてが心地よく束ねられたように思います。
実用的でありながら、美しい髪飾りのようでした。流れ星が降り注ぐ風景を感じさせてくれました。

ナビゲート・ナレーション 原田知世(女優・歌手)

主催、企画制作、後援、こうして並ぶと、どれだけ贅沢な時間だったかがおわかりになると思います。
今度はぜひ宮古島で開催していただきたいものです。あ、ずうずうしい宮古気質が出てしまいました。
でも、宮古の夜空は最高なのよ、と威張りたいのです。

主催:独立行政法人科学技術振興機構(JST)
企画制作:エピファニーワークス(EPIPHANY WORKS)
後援:文部科学省国立天文台東京大学 科学技術インタープリター養成プログラム

それからメディア露出は、宮古で手にすることができるものでは、以下です。
まだまだあるかもしれませんが、調べつつおいおい書き加えて行きますね。

■ecocolo 2月20日発売号
http://www.ecocolo.com/
■SWITCH 2月20日発売号
http://www.switch-pub.co.jp/
■ソトコト 3月5日発売号
http://www.sotokoto.net/

今回はざっとした内容と、全体の雰囲気を写真をメインにお伝えします。
次回は、ひとつひとつ細かく宮古の歴史や宇宙観なども交えて、レポート致します!乞うご期待!!



◆科学と芸術の集い 『宇宙とヒトをつなぐもの』 -古代~最新の宇宙図と南島の神歌・古謡-
2010年1月17日(日) 日経ホール
http://www.epiphanyworks.net/saa/

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宮国優子(みやぐに・ゆうこ)
1971年生まれ。旧平良市下里で生まれ育つ→アメリカ遊学→時代劇制作会社→脚本家事務所→フリー。東京で宮古毎日新聞嘱託記者。書籍のライティング・企画編集・取材・インタビュー・書評・コラム・コメント・出演・コピーライティング・映像企画制作・ナレーション原稿まで、何をやってるか本人もわかっておりません。島のまっちゃ(小売店)のように細々とこなす日々です。何はともあれ、宮古病患者を増やすべく日々啓蒙活動中。宮古島関連では「読めば宮古」 「書けば宮古」(ボーダーインク)の編著者・さいが族酋長。他にも『沖縄の島遊び』(JTB出版) 『島へ』(海風社)など多数。宮古島方言メルマガ「くまから・かまから」ライター。「東京の沖縄人」 新垣譲著(ボーダーインク)では、何故かインタビューされてます(若すぎて、アホ丸出し・・・)。
・あららがまパラダイスコラム『宮国優子の思えば宮古』(あんちーかんちー連載中)
・Official Blog 『宮国優子の寝ても覚めても宮古島!!』

本村佳世(もとむら・かよ)
1979年宮古島平良市(現・宮古島市)生まれ。生粋の市内っふぁ(市内っ子)。
平良中卒業後、沖縄本島の高校→千葉の私立大と進学し、卒業後は東京で就職。
社会人2年目ごろに刊行された『読めば宮古』を読んで、自分の中に長年眠っていた宮古人の血が目覚めたらしい。「私も宮古のことを何かやりたい!」と思い立ち、いろいろ迷ったあげく約3年後に宮古方言について調べ始めたころ、宮国優子さん(酋長)にmixiで捕獲(ヘッドハンティング?)される。その後、2006年に宮古方言研究のブログ『あっがいたんでぃ!』を立ち上げる(最近更新をサボっていますが・・・)。翌2007年からは宮古方言メルマガ「くまから・かまから」のライター。宮古方言が話せる人を増やして、昔のおじぃ・おばぁたちみたいに方言だけでおしゃべりするのが将来の夢です。
・宮古方言研究Blog 『あっがいたんでぃ!』

(文:宮国優子+本村佳世 写真+協力:エピファニーワークス 編集:モリヤダイスケ)
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