HULA& LEI レイメイキング+フラ ホイケ in 宮古
南国・宮古島にハワイアン・フラダンスのブームが訪れています。島でイベントが催されると、必ずといって良いほど、フラのステージでダンスが披露されているほど、ゆっくりとではありますが新しい島の文化として広がり始めています。そんなフラには欠かせないレイを作るレイメイキングのワークショップと、宮古のフラの集大成ともいえるフラのホイケ(発表会)が開催されました。
◆UMAHANA大谷幸生のレイメイキング
その土地に育つ花々を使ってオリジナリティにあふれたレイをハワイ伝統の様々な手法で巧みに編み上げるレイメイカーであるUMAHANAこと大谷幸生さんを講師に迎え、フラにはかかせないレイ作りのワークショップが開催されました。大谷さんはハワイのレイ・メイクの巨匠、マリー・マクドナルドさんに師事し、花の持つ美しさや意味を最大限に生かし、自然と調和したレイを紡ぎ出すレイメーカーとして、日々忙しく全国各地を飛び回っています。そのセンスやデザインはフラワーアーティストとしてだけではなく、クラフト・写真・料理など何でも器用に作ってしまうというマルチスキルなアーティスト。その素顔はとっても気さくで、ワークショップの合間にウクレレを弾いたりして和ませ、楽しいレイ作りを指導していました。
宮古島でのワークショップも今回で三度目とあって、、和気藹々と島のフラチーム・プアエナ宮古のみなさんを中心にレイ作りが行われました。このあと催されるフラの発表会(ホイケ)に使うグリーンレイを島に自生する植物を使って作ります。グリーンレイはカヒコ(古典フラ)を踊る時に使われるもので、ハワイでは心身を癒し、邪気を祓う力があるとされるティ・リーフで作られるのですが、このティ・リーフの和名はセンネンボクといい、沖縄では普通に自生している植物で庭の四方などに植えられて「幸福の木」とも呼ばれています。
レイを作る上で大谷さんは土地のものを使うことを提唱しています。神への祈りに使われるレイをハワイでは、その大地がは育んだ植物によって作り、使われた後は再び土へ帰ることで循環が成立するのだから、レイ作りはどこであれその土地の植物を使って、その土地に合ったレイを作ることが大切なのだそうです。
見慣れた華やかなフラワーレイも素敵ですが、質素で力強さのあるグリーンレイも仕上がってみるとなかなかに格好よく、レイやフラにあまり詳しくなくとも、その奥深さと面白さをこのワークショップで垣間見た気がしました。
土地の草花を使って作るこのレイ・メイクを、熱帯植物園の体験工芸村でやったら草花に宮古らしさが出てたりして面白いんじゃないだろうか。場所柄、植物園なら草花はいっぱいあるわけだし、その気になれば必要な花を栽培することも可能だ。さらに、島の学校の卒業式でお菓子のレイを贈る習慣があるくらいだから、それをホンモノにする勢いで日常の中にレイを贈る習慣をあちこちで広めたら、新たな観光需要の開拓にもつながりそうな予感がします。
蛇足余談は置いといて、今回のワークショップで作ったレイを使って、いよいよこのあとフラのホイケ(発表会)です。
◆Hula Halau O Pua'ena Ho'ike in宮古島
今宵のステージは宮古島でフラ旋風を巻き起こしている、島のフラチーム「Pua'ena 宮古」だけではなく、その先生にあたる柴田知佳さんと全国各地の教室のフラガールの皆さんが集結してのHo'ike(ホイケ/発表会)。なのでタイトルも「Hula Halau O Pua'ena(フラ ハラウ オ プアエナ)」と、本家本元の柴田先生の教室の冠がついており、島で開催されたフラのイベントとしては最大級の規模を誇っていました(今回で通算2回目の開催)。
幕開けのKAHIKO(カヒコ/古典フラ)ではレイメイキングのワークショップで自分たちで編んだティ・リーフのレイを身につけて踊り、AUENA(アウエナ/現代フラ)のステージでもゲストミュージシャンを従えて、時に艶やかに時にしっとりと、詰めかけたたくさんの観客たちを魅了していました。
柴田先生のスペシャルコラボステージや、可愛らしいKEIKI(子ども)たちのフラ、Bare Footのハワイアンライブと、次々と繰り広げられる華やかなステージはまさに圧巻でした。そしてラストはフラガール全員が登場してフラを踊り、感動と感激が交差する素敵なフィナーレで締めくくられました。
たった一日、時間にしたら数時間に過ぎませんが、レイメイキングとフラのホイケというハワイ独自の伝統文化に触れることが出来ました。ハワイは太平洋のほぼ真ん中にあるリゾートの島として、世界的にもよく知られたアメリカの50番目の州で、かつては沖縄からも移民が行われたりと、なにかと沖縄とつながりの深い島もあります。また、国が併呑されるという歴史的な経緯や、島の中に巨大な米軍基地を抱えているといった、まったく違う文化の島でありながら、どことなく似ているふたつの南の島、ハワイと沖縄。どちらも文化の交差点にある島だからこその面白さが、そこには宿っている気がしました。
マハロまたんみゃーち!
[資料]
UMAHANA 大谷幸生
Hula Halau O Pua'ena [柴田知佳フラダンス教室]
プアエナ宮古
レイとフラの魅力 / ハワイ州観光局
Ti Ki La'i(ティリーフ) /ALOHA NOPU(ハワイの伝説・植物・鳥など)
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)
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