じぇっと馬鹿2010~KAZE JETSKI 耐久レースin宮古島

あんちーかんちー編集室

2010年12月07日 09:00


海のトップシーズンも過ぎたいつものこの季節なら、穏やかな時間がたおやかに流れる与那覇前浜に、今や宮古島の冬の風物詩ともなったジェット馬鹿の祭典、「2010 KAZE JETSKI 耐久レース in 宮古島」がやって来ました。今年は二日間に渡って繰り広げられた熱い水上のバトルをレポート。


今年で9回目の開催となる「KAZE耐」は、大会初の二日間の開催(レース数に変更はありませんが、クラス別レースがゆとりをもって3クラス開催にするためと思われます)となり、今年は土曜日の午後からレースが始まります。
初冬とはいえ南国の宮古島のビーチは青い海と白い砂が煌めくビーチに、島外からエントリーしているジェットスキー乗りたちにとっては、テンションのあがるロケーションに興奮気味。毎年さまざまなドラマが展開される「KAZE耐」、今年はどんな物語が捲き起こるのでしょうか。

初日(11月27日)の第一レースは、スキー・X-2クラスの耐久レース(混走)。二時間の間にコースを何週することが出来るのかで勝敗が決するのですが、給油やライダー交代などのピット作業も微妙に絡んでくるので、ライダーのテクニックだけでなくチームワークや作戦も重要となります。
今年のレースはなんといっても高校生ライダーがいるチームの台頭です(親子鷹でエントリーしている)。というより若い力に頼って勝つという展開なのですが、世界進出など将来性のあるライダーが現れるかもしれません。

2日目(11月28日)の午前中はランナバウトクラスのレース。前日のスキー・X-2クラスに比べて船体も排気量も大きいマシンに跨いで、波しぶきを飛ばしてコースを走るさまは本当に迫力があります。
「KAZE耐」はKAWASAKI ライダーズクラブKAZEが主催する耐久レースツアーで、2010年は6月の愛知県蒲郡、9月の広島県福山、10月の福島県猪苗代、そして11月の宮古島の年4回(2008年までは本島のオクマでも開催されていた)が開催されており、全国を転戦するチームもあれば、スポットで参加する地域のチームもあり、宮古島のチームも各クラスで健闘していました。

激しいバトルの耐久レースとはひと味違ったフリースタイルのエキジビジョンがお昼休みに行わました。ジェットスキーを自在にあやつって水面から高々と空を舞う、アクロパティックなプロの演舞に会場は大きく湧き上がります。耐久レースも見ごたえがありますが、フリースタイルの大会を、ぜひ宮古に誘致してくれないだろうか、彼らの世界レベルの演舞は迫力があり、知らない人でも見た目の判りやすさから楽しめる上、内地がオフシーズンでも開催が可能という環境が揃っている宮古島なら、世界から呼び物に出来るのではないだろうか・・・っと妄想。

最後のレースはスーパーランナバウトクラス。排気量1500cc過給器付というモンスターマシンで争う、耐久レースは激しいデットヒートとなり、給油などのピットワークの時間経過で順位が入れ替わるといった、F1のテレビ中継で見たようなタイトなレース展開。残り時間わずかになったところで、なんとトップを走っていたマシンがエンジントラブルでまさかのリタイアし、2位だったチームが逆転で優勝するという結末が待っていました。
毎回、何気にこっそり楽しみだったスタート&ゴールの旗振りをして、レースに花を添えるKAZE GALが予算削減なのか今年は帯同がなく、変わって、急遽呼ばれたような雰囲気のミス宮古が、慣れない感じでチェッカーフラッグ振っていました(もう少しだけ見られているというプロっぽい意識を持って振って欲しかったな)。
モーターマリンスポーツというジャンルは、親しんでいないと馴染みの薄い世界なのですが、こんなにも激しくて熱くて面白い「じぇっと馬鹿」たちを目の当たりにすると、楽しいじゃないか!っと見ているだけでしたが、思わず身を乗り出さずにはいられないイベントでした。

『2010 KAZE JETSKI 耐久レースin宮古島』
日程 2010年11月27日(土)~28日(日)
場所 与那覇前浜
主催 カワサキライダースクラブKAZE
KAZE JETSKI耐久レース
大会実施要項大会結果基礎知識

[参考資料]
BUN FREESTYLE(フリースタイラー渡部プロらが所属するチーム)
「じぇっと馬鹿」(沖縄宮古島のジェットスキーチームのブログ)

[メモ]
本文中に出てくる「ジェットスキー」は一般名詞ではなく川崎重工業社製の水上オートバイの商品名で、海外では一般的に「パーソナルウォータークラフト」と呼ばれています。尚、ライバル社のヤマハ発動機社製は「マリンジェット」と呼称されてます。

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KAZE耐 in 宮古島(2008年レポート)

(文+写真+編集:モリヤダイスケ)
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