ところで宮古島マイクロブルワリーで製造・販売しております島の地ビール「とぅりば」。既にお気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、瓶のラベルには「発泡酒」と書いてあります。おおーっと、これは地ビールだったんじゃなかったっけ?。発泡酒のくせになんでビールより高いワケ?。っと、お叱りの弁をいただきそうですが・・・。
ええーっと、そうなんです。「発泡酒」なんです。なんだい開き直りかい?とも云われそうですが、胸を張って、声を大にして「発泡酒なんですー!」と宣言しておきます。まぁ、そこまで力まなくてもいいか(笑)。
この「ビール」と「発泡酒」。同じといえば同じで違うといえば違う。なんともややこしい「酒税」というものが絡んでいるからで、「発泡酒はビールより薄いもの」的な考えをお持ちの方は、今から語るこの話を読んで、なにとぞそのお考えを改めていただければと!。まずがーと、話をしましょうかねぇ・・・それでは「ビール」と「発泡酒」の定義から。
『ビール』
麦芽、ホップ、水、麦、米等を原料に使用したもので、麦米等の重量が麦芽の重量の10分の5を超えないもの。
『発泡酒』
麦芽又は麦を原料の一部とした発泡性のある酒類。
これじゃ、さっぱり判らねーよー!って?。まぁ、噛み砕いて云うと、大きな意味では麦芽の使用量がすべての原料の66パーセント以上を占めるのが「ビール」。それ以外が「発泡酒」ってなことになりそうなんですが・・・なんと、私の造っている「発泡酒」の麦芽使用率は、およそ80パーセントもあるんです!。なんでー!っと悲鳴が聞こえてきそうですね(笑)。
実はですね、定義されている原料以外のものを使用すると、麦芽率では「ビール」であっても「発泡酒」になってしまうんです。ですから香りづけにハーブやフルーツを使ったビールは「発泡酒」に区分され、ベルギービールによくある果物などを使用しており、ビールでありながら「発泡酒」扱いにされてしまうのです。
宮古島マイクロブルワリーではドライホッピングという英国伝統の手法で、ホップをハーブのように香り付けとして使う発酵方法で「ビール」を作っていますが、日本の酒税法上では「発泡酒」に分類されてしまいます。「発泡酒」というのは日本独自のビールのジャンルで、グローバルスタンダードで見ると、どちらも「ビール」なんです。
じゃあビールは造れないのか?って声も聞こえてきそうですが、これまた酒税法ではビールを造るために必要な免許を出すためには、年間60キロリットルの生産能力を有する設備と、約束された販売先が必要だとと決められているのです。これって「とぅりば」で云えば1日あたり500本以上の生産が必要で、とても夫婦ふたりたけで造っていくことはできましぇん(汗)。
しかも、醸造設備にも○億円はかかることでしょう。発泡酒を造るための免許ならば、ビールの10分の1の生産量(年間6キロリットル)でいいので、これだったらなんとかふたりでもやっていけるし、設備も小さくて済むから大きな工場を建てる必要もありません。ましてや宮古島の特産物を使った、オンリーワンの島の地ビールを造ろうとしていた自分たちに必要な免許は発泡酒であり、醸造サイズもうってつけのサイズだったのです。どことなく言い訳がましい内容になっていますが、私は胸を張って声を大にして、宮古島マイクロブルワリーで作っている「とぅりば」は、「そうです。発泡酒です!」っていいますからね。
おわりに。前回、少し触れたハブのおつまみメニューをリニューアルしました。結構美味しいと(まぁ、本人達を前にして不味いとは云えないか・・・)評判のようで、この新メニューでしばらくやっていきますね。
『自家製アイスバイン風』・・・・・・300円
塩漬けした豚肉でさっぱりとした味わいです。ザワークラウト(キャベツの酢漬け)と一緒にどうぞ。ほんとは豚のスネ肉を使うんだけど、手に入らないのでモモ肉を使ってます。だから「風」なのね。
『2種のソーセージ』・・・・・・500円
島唐辛子を練りこんだチョリソーとイカスミのソーセージの盛り合わせ。ごめんなさい、これは残念ながら自家製ではありません。
『グリッシーニ&プレッツェル』・・・・・・300円
ポリポリとした食感のスティックと、ビールによく合うプレッツェル。グリッシーニは自家製パンの材料で作ってます。
ただいま、グラスビールをご注文いただいたお客様には、かあちゃんが作ったパンをサービスさせていただいております。ビール酵母で作ったパンをツマミに、まぁ一杯やってくださいな。
そしてそして。いよいよ今月あたりは黒ビールを仕込んでみようかと思っています。早ければ1月中旬くらいには、お出しできるかと思っておりますので、お楽しみにー。
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[筆者紹介]
マイスターT
将来、住みたいと思っていた宮古島へ、ひょんなことからハマってしまったビールを造るために、46歳の若さで仕事を辞めて、愛妻と愛犬とビールタンクと一緒にやって来てしまった、ちょっと無謀な男。
車・バイク・ボート・釣りが好きなのですが、島ではとりあえず車とバイクはおあずけ。ひとまずは島の地ビールが売れたら、マイ・ボートで思う存分に釣りへ出ることが、今の夢。
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[Miyakojima Micro Brewery]
所在地:沖縄県宮古島市平良久貝703-3
地図はこちら
TEL:0980-79-0059
Blog:宮古島マイクロブルワリーのマイクロな一歩
http://mmb.ti-da.net/
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営業時間/15:00~20:00(LO.19:30) 定休日/火・水・木曜日
(文:マイスターT@Miyakojima Micro Brewery 編集+写真:モリヤダイスケ)