2010年09月07日
島の本棚 -NIGHT OF GOLD- Vol.003

沖縄・宮古島にこだわって、あれやこれやと島の面白さをなんやかんやと、WEBからお届けしている「あんちーかんちー」。狭くて広い宮古島を伝えるにはまだまだ足りません。そんな宮古島の大きな魅力を、「もっと知ってもらいたい」 「もっと好きになって欲しい」という想いからスタートした「島の本棚」。新刊既刊を問わず、宮古島を題材や舞台にした本を紹介する企画です。
今回は「あんちー」でも人気連載中の宮古ネタ・コミック「ブットゥルー」へとつながる?、宮古コミックの系譜に焦点をあててみました。
「島の本棚~NIGHT OF GOLD」 ~活字が躍れば金色の闇は、叡智の泉に生まれ変わる。
※ ※ ※
宮古スピリッツ

2003年に颯爽と島に登場すると、瞬く間に宮古人と宮古島ファンを虜にしてしまった、超がつくほどに有名な伝説のコミック。沖縄の島言葉の中で独特な表現を持っている宮古口(みゃーくふつ)を、ふんだんに使ったシュールな言葉遊びをネタにしたり、リアリティのある島人の反応や行動を笑いに結びつけて、大いに楽しませてくれる4コマ漫画です。
恐らくは一度でもこのコミックを手に取った事のある人ならば、決して忘れることのない力強いインパクトがそこにはあり、宮古口を知らずともつい笑ってしまい、ネイティブの宮古人は爆笑へと誘う圧倒的なパワーを秘めています。
一巻が世に出て以降、2005年までに立て続けに四巻まで発表されましたが、実はこのコミックは作者LEEさんによる自主出版のため、残念がながら最近は重版がされておらず四巻すべてを入手することは非常に困難な状況ですが、コミックを読むだけであれば、けっこう島内のあちこちに(喫茶店や食堂など)に置かれていることがあるので、まだの人にはぜひとも手にとって読んで欲しいマンガです。
Mr.ガラサ

今、島に暮らしているナイチャーで、もしこのコミックをもし知っているとすれば、在島年数が二桁以上の島人級の人か、相当の宮古通であるといえるのではないでしょうか。このコミックはかつて宮古島で発行されていた新聞「日刊宮古」に4コママンガとして掲載されていたものなのです。
1982年5月1日に創刊された日刊宮古は、1992年3月3日の廃刊までの11年間に渡って発刊された幻の島の新聞で(日刊宮古の紙面は図書館に保存されいるので閲覧することが可能です。また、みつば保育園向かいのアパートの壁面に描かれていますリンク)、Mr.ガラサはその創刊と同時にスタートし廃刊までの間に2036本が発表されました。
黒い服に黒い帽子、黒いサングラスといういカラスのようないでたちのミスターガラサ(ガラサは宮古口でカラスのこと)を中心に、さまざまなユーモラスなキャラクターたちが登場し、日常のふとした出来事を題材にしたギャグから、当時の社会情勢をビビットに反映した風刺モノまで、宮古口を交えてほのぼのとしたタッチで展開されます。
日刊宮古の廃刊という現実的な終焉によって、Mr.ガラサも終了を余儀なくされましたが、このままガラサを埋もれさせてしまうのは惜しいと「ガラサ」復活実行委員会が組織され、1994年に傑作選として単行本が発刊されました。コミック自体は絶版となっている現在、購入することはかないませんが、宮古島市平良図書館などに蔵書があります。時代を駆け抜けたガラサが飛翔する勇姿を楽しんで見てください。
ストラトスフォー

すみません最後に紹介するのは本ではなくアニメ作品です。端的にいえばキャラ萌えとミリタリーマニアを融合させたSFで、2003年1月から3月にかけてUHFアニメとして13話が放映され、その後OVAとして続編が3度に渡って製作されました(OVAでは累計10話)。
西暦2XXX年。地球に彗星群が接近しつつあることが確認され、国連は地球に衝突しようとする彗星を破壊する組織として天体危機管理機構を発足。衛星軌道上の基地から宇宙での彗星迎撃を任務とするコメットブラスターと、コメットブラスターが彗星を完全に破壊しきれなかった場合に、地上から超高々度迎撃機で彗星を迎撃するメテオスイーパーの二段構えで防衛体制にあたっていた。宇宙で活躍するコメットブラスターにあこがれる、地上勤務のメテオスイーパーの日々の訓練を軸にストーリーが展開してゆきます。
キャラは明らかに萌え要素が満載なのですが、SFネタは非常によく練られており、地球を襲う彗星に実は人類に感染・寄生をする地球外生命体が潜んでおり、そのことを天体危機管理機構は隠蔽し続けていた。そんな中で感染者による事件の発生や、組織内部の対立が複雑に絡み、地球外生命体の脅威とさまざまな陰謀が渦巻く中に主人公たちも巻き込まれ、真実が解き明かされてゆくというなもの。
しかし、残念なのは予算や視聴率など、いわゆる大人の事情なのだと思いますが、TVシリーズ、OVAを通しても完全にその謎は解明されず、地球の降りそそぐ彗星の危機も続いたまま(一応)完結してしまった点にあります。萌えはともかくとして、もっと評価されてもいい作品だと感じます。
なぜこのアニメを取り上げた理由はただひとつ。この物語の舞台(地上部隊のメテオスイーパーの基地)が、実際に存在する下地島空港そのものだからなのです。下地島の描写はオープニングの空撮から始まり、物語中には滑走路はもちろん、管制塔(タワー内部も描かれいる)など、リアルに下地島空港が描かれているのです。他にも伊良部島のサシバの展望台といった島の風景も随所に登場するので、ストーリーだけでなく物語の舞台を見る楽しもあります。
(画像は公式HPにある壁紙から借用いたしました)
[関連記事]
空の日@下地島空港2009
【書籍データ】
「宮古スピリッツ」
著者/OMANGA YOK LEE
発刊日
1巻 2003年9月27日
2巻 2004年1月19日
3巻 2004年5月25日
4巻 2005年2月15日
笑いの星 - miyako island
「Mr.ガラサ」
著者/ウルカ・友
発行者/「ガラサ」復活実行委員会
発行日 1994年8月15日
「ストラトスフォー」
TVシリーズ(全13話)
OVAシリーズ第1期(X SERIES 全2話)
OVAシリーズ第2期 『ストラトス・フォー アドヴァンス』(全6話)
OVAシリーズ完結編 『ストラトス・フォー アドヴァンス 完結編』(全2話)
STRATOS4 OFFICIAL WEB SITE
ストラトスフォー(TVサイト)
※レンタルDVDやバンダイチャンネル(一部無料で見れます)で見ることが出来ます。
◆バックナンバーはコチラ
(文:密牙古文化部 写真+編集:モリヤダイスケ)
一巻が世に出て以降、2005年までに立て続けに四巻まで発表されましたが、実はこのコミックは作者LEEさんによる自主出版のため、残念がながら最近は重版がされておらず四巻すべてを入手することは非常に困難な状況ですが、コミックを読むだけであれば、けっこう島内のあちこちに(喫茶店や食堂など)に置かれていることがあるので、まだの人にはぜひとも手にとって読んで欲しいマンガです。
Mr.ガラサ

今、島に暮らしているナイチャーで、もしこのコミックをもし知っているとすれば、在島年数が二桁以上の島人級の人か、相当の宮古通であるといえるのではないでしょうか。このコミックはかつて宮古島で発行されていた新聞「日刊宮古」に4コママンガとして掲載されていたものなのです。
1982年5月1日に創刊された日刊宮古は、1992年3月3日の廃刊までの11年間に渡って発刊された幻の島の新聞で(日刊宮古の紙面は図書館に保存されいるので閲覧することが可能です。また、みつば保育園向かいのアパートの壁面に描かれていますリンク)、Mr.ガラサはその創刊と同時にスタートし廃刊までの間に2036本が発表されました。
黒い服に黒い帽子、黒いサングラスといういカラスのようないでたちのミスターガラサ(ガラサは宮古口でカラスのこと)を中心に、さまざまなユーモラスなキャラクターたちが登場し、日常のふとした出来事を題材にしたギャグから、当時の社会情勢をビビットに反映した風刺モノまで、宮古口を交えてほのぼのとしたタッチで展開されます。
日刊宮古の廃刊という現実的な終焉によって、Mr.ガラサも終了を余儀なくされましたが、このままガラサを埋もれさせてしまうのは惜しいと「ガラサ」復活実行委員会が組織され、1994年に傑作選として単行本が発刊されました。コミック自体は絶版となっている現在、購入することはかないませんが、宮古島市平良図書館などに蔵書があります。時代を駆け抜けたガラサが飛翔する勇姿を楽しんで見てください。
ストラトスフォー

すみません最後に紹介するのは本ではなくアニメ作品です。端的にいえばキャラ萌えとミリタリーマニアを融合させたSFで、2003年1月から3月にかけてUHFアニメとして13話が放映され、その後OVAとして続編が3度に渡って製作されました(OVAでは累計10話)。
西暦2XXX年。地球に彗星群が接近しつつあることが確認され、国連は地球に衝突しようとする彗星を破壊する組織として天体危機管理機構を発足。衛星軌道上の基地から宇宙での彗星迎撃を任務とするコメットブラスターと、コメットブラスターが彗星を完全に破壊しきれなかった場合に、地上から超高々度迎撃機で彗星を迎撃するメテオスイーパーの二段構えで防衛体制にあたっていた。宇宙で活躍するコメットブラスターにあこがれる、地上勤務のメテオスイーパーの日々の訓練を軸にストーリーが展開してゆきます。
キャラは明らかに萌え要素が満載なのですが、SFネタは非常によく練られており、地球を襲う彗星に実は人類に感染・寄生をする地球外生命体が潜んでおり、そのことを天体危機管理機構は隠蔽し続けていた。そんな中で感染者による事件の発生や、組織内部の対立が複雑に絡み、地球外生命体の脅威とさまざまな陰謀が渦巻く中に主人公たちも巻き込まれ、真実が解き明かされてゆくというなもの。
しかし、残念なのは予算や視聴率など、いわゆる大人の事情なのだと思いますが、TVシリーズ、OVAを通しても完全にその謎は解明されず、地球の降りそそぐ彗星の危機も続いたまま(一応)完結してしまった点にあります。萌えはともかくとして、もっと評価されてもいい作品だと感じます。
なぜこのアニメを取り上げた理由はただひとつ。この物語の舞台(地上部隊のメテオスイーパーの基地)が、実際に存在する下地島空港そのものだからなのです。下地島の描写はオープニングの空撮から始まり、物語中には滑走路はもちろん、管制塔(タワー内部も描かれいる)など、リアルに下地島空港が描かれているのです。他にも伊良部島のサシバの展望台といった島の風景も随所に登場するので、ストーリーだけでなく物語の舞台を見る楽しもあります。
(画像は公式HPにある壁紙から借用いたしました)
[関連記事]
空の日@下地島空港2009
※ ※ ※
【書籍データ】
「宮古スピリッツ」
著者/OMANGA YOK LEE
発刊日
1巻 2003年9月27日
2巻 2004年1月19日
3巻 2004年5月25日
4巻 2005年2月15日
笑いの星 - miyako island
「Mr.ガラサ」
著者/ウルカ・友
発行者/「ガラサ」復活実行委員会
発行日 1994年8月15日
「ストラトスフォー」
TVシリーズ(全13話)
OVAシリーズ第1期(X SERIES 全2話)
OVAシリーズ第2期 『ストラトス・フォー アドヴァンス』(全6話)
OVAシリーズ完結編 『ストラトス・フォー アドヴァンス 完結編』(全2話)
STRATOS4 OFFICIAL WEB SITE
ストラトスフォー(TVサイト)
※レンタルDVDやバンダイチャンネル(一部無料で見れます)で見ることが出来ます。
◆バックナンバーはコチラ
(文:密牙古文化部 写真+編集:モリヤダイスケ)
Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(0)
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