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2010年09月10日

島の地ビール屋 まずがーと物語 #002

島の地ビール屋 まずがーと物語 #002
いよいよ島の地ビールの物語が本格スタートです。宮古島の地で、宮古の水を使って、醸造される宮古島で初めての地ビールを造る、「Miyakojima Micro Brewery」のマイスターTが語る、「島の地ビール屋 まずがーと物語」。まずがーと、始まります。

※     ※     ※     ※

月も変わって早9月。お約束の通り取得しました『酒造免許』!!。8月10日に宮古島税務署長から直々に免許を手渡して頂きました。いやー長かった、長かった、長かった!。2年間粘りに粘ってやっと取ることが出来ましたよ~。
島の地ビール屋 まずがーと物語 #002
免許取得への第一歩として宮古島税務署へ行くと、酒類指導官という酒造業専門の指導官と面接をすることになりました。若そうな女性が指導官として出て来たので少しホッとして、まず、酒造免許を取るための準備や手順について聞こうと思ったのですが・・・。

私:「発泡酒の酒造免許を取ろうと思っているんですが、どのように進めて行けばいいのか、まず相談をしたいと思い来たんですが・・・」
指導官:「ん~。宮古ではまず無理ですよ!」 
私:「いや。あの~。どういった手続きからはじめれば・・・」
指導官は奥からA4の用紙を一枚持って来て。
指導官:「こう云った、準備するものの一覧表はありますけど・・・まず許可は出ないですよ」
あくまでも否定形の指導官でしたが、ここで怯むことなく。
私:「ここに書かれているものを揃えればいいんですね?」
指導官「ええ、まあ。宮古では過去に二人くらい申請された人がいましたが、みなさん途中で断念されていますねぇ」
私:「とりあえず、この用紙の内容を見させてもらって、準備で来たものを来月、一度確認をお願いできますか?」
指導官「え、ええ・・・」
島の地ビール屋 まずがーと物語 #002てな感じで、初めはとことこん相手にされていなかったんです。
ようやく手ごたえが出てきたのは、税務署に通って一年ほど経ってからかなぁ。ブルワリーの土地を決めたくらいから、やっと話を聞いてくれるようになったんです。酒造免許が取得出来た今、これまでの出来事が走馬灯のようによみがえってくるねぇ。ま、この辺の話はまた後日で・・・。

苦心の末、手に入れたこの免許。実は宮古島税務署が開設されてから初めての発泡酒免許ということらしく、そんな話をビールの納入先である某飲料店オーナーに話をしたら、新聞社に記事にするよう話をしてやるってコトになって、次の日、早速取材を受けることになりました。
取材第一号は宮古新報さん。初めて新聞の取材を受けたけど、意外にフランクに話をすることができたかな・・・。続いて島のもう一紙の新聞、宮古毎日新聞さんからも取材を受け、感触としては社会面にちょこっと載るくらいかなぁ。写真を撮っていったから写真も載りそうだな~。なんて軽く考えていたら・・・。

次の日の朝、7時頃からいきなりメールが・・・「スゴイね。一面トップだぞ!」って。なんのこっちゃと思いながらクリ(飼い犬)の散歩を済ませて、新聞を手にすると・・・アッガイタンディ~!(こういう時に使うのかな?)。ホントに一面のトップにでかでかと掲載されていました。宮古新報やってくれるじゃん!。イヤー、どうしよう・・・。まずは、かみさんにもこの驚きを知らさねばと、新聞片手にかみさんを揺り起こすと・・・流石に寝起きの悪いかみさんもこれには一発で目が覚めたようで、「何これー!」っと、どこぞのテレビ番組みたいな奇声を発し飛び起きたのでした。
島の地ビール屋 まずがーと物語 #002この新聞に載ったおかげで、あちこちからおめでとうの電話が舞い込み、問い合わせの電話も鳴り止まず、静かだった生活がいっぺんに変貌してしまいました。島の新聞の威力って凄いもんですねぇ。
そうそう、新聞の記事を読んで宮古テレビさんも取材にやってきたんですよ。それから設備に絡む会社や、お店に絡む会社などなど、色んな訪問客がひきりなしに訪れて、まさに嬉しい悲鳴でしたけど絶大な宣伝効果を得てしまうのでした。

さあて、酒造免許を手に入れたとなれば、早速、仕込みに取りかかろうと良い日を選び、初仕込みの日を8月20日と決めて仕込みの準備をスタートさせました。工房の設備の古かった配管を新しくしたり、気に入らない個所を作り直したりと、毎日メイクマンのお世話になっていました。
ここで云う仕込みとは私の工房の場合、麦芽から作り出した水飴状のエキスを湯に溶かし、これを何種類か調合し、冷やしながら醗酵タンクへと移送するという作業になります。そのあと酵母を醗酵タンクに入れて、酵母が元気に働く温度に調整してやるというものです。簡単な作業に思えますが、これは表舞台。
実はビールを造るというのは、雑菌との戦いなんです。とにかく雑菌がビールに入らないよう気を使った作業になります。更に使ったタンクや機材は、これでもかってくらい洗浄消毒をすべて行います。これが実に大変。準備期間だったとはいえ、2年間も仕事とという生活リズムから離れていた体には、なんともキツイ重労働でした。っていうか歳のせいか?。

いよいよ初仕込みか、なんて急ぐことなかれ。まずは水を使って仕込みのシミュレーションをやってみると・・・。何度も水を通しても配管から汚れが出てくる。こうりゃ分解掃除だな・・・。予想以上に2年間の倉庫保管はダメージが大きいなぁ・・・なんて焦り始めた時にも、ひとつ事件が勃発。
引っ越し前から頼んであったネットの工事が遅れに遅れ、やっと開通したので直ぐに材料を注文しようと内地の商社へと連絡するも・・・。そう、内地はすでにこの時、お盆休みに突入していたのでした(沖縄は旧暦が主流なので、すっかり忘れていた)。こう云う時は焦らず予定変更だなってことで、初仕込みの日を26日へと変更。こういう時は沖縄で良かったなあって思いますね。でも、こんなこともっと早くにやっておくべきよねー。
島の地ビール屋 まずがーと物語 #002どうにか材料もそろって準備万端の初仕込み日がやって来ました。この日は新聞社2社と宮古テレビに連絡しておいたので、仕込みの取材してもらうことになっていましたが、予想に反して早い時間から記者さんたちが来てしまった。こちらの準備が整ってないうちから取材を受けたものだから、どうも落ち着かないのと、変な緊張状態のまま初仕込みへと入ったてしまい、段取り良く進められない私たち。後で放送された宮古テレビに映る自分達の姿に、顔から火を噴くような思いをするのでした。全国ネットでなくて良かった・・・。

醗酵タンクに溜めた麦芽エキスに酵母を投入して仕込みはようやく終わり。昼から始めて夕方になっていました。しかし、ここから使ったタンクの洗浄や器具類の洗浄が始まり、どうにか片付いたのはすっかり夜も更けていました。もう少し段取り良く進めないとお店の方ができないからと、夜はかみさんと反省会。トヨタで云うところの改善ってやつですかね。何が悪かったのか?、原因は何か?、改善策は?、工程に落とし込む内容は?、設計への反映は?・・・ああ、もうこんな世界から足を洗ったはずなのに・・・。

さて。やっと始動した宮古島マイクロブルワリー。ドタバタとやっておりますが、仕込んだビールはブクブクと醗酵を始め、世に出るために自ら磨きをかけています。まだ正確な日付は決められませんが、今月末にはオープンできると思いますので、みなさんもじっと待っててくださいね。
島の地ビール屋 まずがーと物語 #002
[記事リンク] 宮古新報
宮古島初、地ビール製造、来月商品化(2010/08/12)
地ビール仕込み開始、来月下旬にも製品化(2010/08/27)

[筆者紹介]
マイスターT
将来、住みたいと思っていた宮古島へ、ひょんなことからハマってしまったビールを造るために、46歳の若さで仕事を辞めて、愛妻と愛犬とビールタンクと一緒にやって来てしまった、ちょっと無謀な男。
車・バイク・ボート・釣りが好きなのですが、島ではとりあえず車とバイクはおあずけ。ひとまずは島の地ビールが売れたら、マイ・ボートで思う存分に釣りへ出ることが、今の夢。

[Miyakojima Micro Brewery]
所在地:沖縄県宮古島市平良久貝703-3 地図はこちら
TEL:0980-79-0059
Blog:宮古島マイクロブルワリーのマイクロな一歩
http://mmb.ti-da.net/

(文+写真:マイスターT@Miyakojima Micro Brewery 編集:モリヤダイスケ)





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Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(2)まずがーと物語
この記事へのコメント
いつも楽しく読ませていただいてます。
軽快な文章の中に多大な努力が感じられて、すごく感動します!

オープンしたらぜひ飲みに行きます!
Posted by スーチャン at 2010年09月10日 10:14
スーチャンさん


ありがとうございます。

是非出来たてのビールを味わってくださいね。

くれぐれも車で来ちゃだめですよ。
Posted by マイスターT at 2010年09月12日 21:14
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