2010年12月10日
島の地ビール屋 まずがーと物語 #005

島の地ビール「とぅりば」は、「Miyakojima Micro Brewery」が造りあげた、宮古島の水を使って宮古島で醸造した、宮古島生まれの地ビール。今月もマイスターTが語るほろ酔い?コラム、「島の地ビール屋 まずがーと物語」のはじまりはじまり~!。
※ ※ ※ ※
いやー皆さん、師走ですよ、師走っ。内地は冬だから寒いみたいだけど、南国・宮古島は暖かくて、まだまだビールが美味いですよー! てな具合でやっております宮古島マイクロブルワリー。切らしていた島の地ビール「とぅりば」の瓶もようやく販売を再開しました!。ブルワリーまでわざわざ買いにいらしたお客様には、大変ご迷惑をおかけいたしました。この場を借りてお詫び申し上げる次第でございます。

ところで宮古島マイクロブルワリーで製造・販売しております島の地ビール「とぅりば」。既にお気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、瓶のラベルには「発泡酒」と書いてあります。おおーっと、これは地ビールだったんじゃなかったっけ?。発泡酒のくせになんでビールより高いワケ?。っと、お叱りの弁をいただきそうですが・・・。
ええーっと、そうなんです。「発泡酒」なんです。なんだい開き直りかい?とも云われそうですが、胸を張って、声を大にして「発泡酒なんですー!」と宣言しておきます。まぁ、そこまで力まなくてもいいか(笑)。

この「ビール」と「発泡酒」。同じといえば同じで違うといえば違う。なんともややこしい「酒税」というものが絡んでいるからで、「発泡酒はビールより薄いもの」的な考えをお持ちの方は、今から語るこの話を読んで、なにとぞそのお考えを改めていただければと!。まずがーと、話をしましょうかねぇ・・・それでは「ビール」と「発泡酒」の定義から。
『ビール』
麦芽、ホップ、水、麦、米等を原料に使用したもので、麦米等の重量が麦芽の重量の10分の5を超えないもの。
『発泡酒』
麦芽又は麦を原料の一部とした発泡性のある酒類。
これじゃ、さっぱり判らねーよー!って?。まぁ、噛み砕いて云うと、大きな意味では麦芽の使用量がすべての原料の66パーセント以上を占めるのが「ビール」。それ以外が「発泡酒」ってなことになりそうなんですが・・・なんと、私の造っている「発泡酒」の麦芽使用率は、およそ80パーセントもあるんです!。なんでー!っと悲鳴が聞こえてきそうですね(笑)。

実はですね、定義されている原料以外のものを使用すると、麦芽率では「ビール」であっても「発泡酒」になってしまうんです。ですから香りづけにハーブやフルーツを使ったビールは「発泡酒」に区分され、ベルギービールによくある果物などを使用しており、ビールでありながら「発泡酒」扱いにされてしまうのです。
宮古島マイクロブルワリーではドライホッピングという英国伝統の手法で、ホップをハーブのように香り付けとして使う発酵方法で「ビール」を作っていますが、日本の酒税法上では「発泡酒」に分類されてしまいます。「発泡酒」というのは日本独自のビールのジャンルで、グローバルスタンダードで見ると、どちらも「ビール」なんです。

じゃあビールは造れないのか?って声も聞こえてきそうですが、これまた酒税法ではビールを造るために必要な免許を出すためには、年間60キロリットルの生産能力を有する設備と、約束された販売先が必要だとと決められているのです。これって「とぅりば」で云えば1日あたり500本以上の生産が必要で、とても夫婦ふたりたけで造っていくことはできましぇん(汗)。
しかも、醸造設備にも○億円はかかることでしょう。発泡酒を造るための免許ならば、ビールの10分の1の生産量(年間6キロリットル)でいいので、これだったらなんとかふたりでもやっていけるし、設備も小さくて済むから大きな工場を建てる必要もありません。ましてや宮古島の特産物を使った、オンリーワンの島の地ビールを造ろうとしていた自分たちに必要な免許は発泡酒であり、醸造サイズもうってつけのサイズだったのです。どことなく言い訳がましい内容になっていますが、私は胸を張って声を大にして、宮古島マイクロブルワリーで作っている「とぅりば」は、「そうです。発泡酒です!」っていいますからね。

おわりに。前回、少し触れたハブのおつまみメニューをリニューアルしました。結構美味しいと(まぁ、本人達を前にして不味いとは云えないか・・・)評判のようで、この新メニューでしばらくやっていきますね。
『自家製アイスバイン風』・・・・・・300円
塩漬けした豚肉でさっぱりとした味わいです。ザワークラウト(キャベツの酢漬け)と一緒にどうぞ。ほんとは豚のスネ肉を使うんだけど、手に入らないのでモモ肉を使ってます。だから「風」なのね。
『2種のソーセージ』・・・・・・500円
島唐辛子を練りこんだチョリソーとイカスミのソーセージの盛り合わせ。ごめんなさい、これは残念ながら自家製ではありません。
『グリッシーニ&プレッツェル』・・・・・・300円
ポリポリとした食感のスティックと、ビールによく合うプレッツェル。グリッシーニは自家製パンの材料で作ってます。
ただいま、グラスビールをご注文いただいたお客様には、かあちゃんが作ったパンをサービスさせていただいております。ビール酵母で作ったパンをツマミに、まぁ一杯やってくださいな。
そしてそして。いよいよ今月あたりは黒ビールを仕込んでみようかと思っています。早ければ1月中旬くらいには、お出しできるかと思っておりますので、お楽しみにー。
[筆者紹介]
マイスターT
将来、住みたいと思っていた宮古島へ、ひょんなことからハマってしまったビールを造るために、46歳の若さで仕事を辞めて、愛妻と愛犬とビールタンクと一緒にやって来てしまった、ちょっと無謀な男。
車・バイク・ボート・釣りが好きなのですが、島ではとりあえず車とバイクはおあずけ。ひとまずは島の地ビールが売れたら、マイ・ボートで思う存分に釣りへ出ることが、今の夢。
※バックナンバーはコチラ
[Miyakojima Micro Brewery]
所在地:沖縄県宮古島市平良久貝703-3 地図はこちら
TEL:0980-79-0059
Blog:宮古島マイクロブルワリーのマイクロな一歩
http://mmb.ti-da.net/
Pub
営業時間/15:00~20:00(LO.19:30) 定休日/火・水・木曜日
(文:マイスターT@Miyakojima Micro Brewery 編集+写真:モリヤダイスケ)
ええーっと、そうなんです。「発泡酒」なんです。なんだい開き直りかい?とも云われそうですが、胸を張って、声を大にして「発泡酒なんですー!」と宣言しておきます。まぁ、そこまで力まなくてもいいか(笑)。

この「ビール」と「発泡酒」。同じといえば同じで違うといえば違う。なんともややこしい「酒税」というものが絡んでいるからで、「発泡酒はビールより薄いもの」的な考えをお持ちの方は、今から語るこの話を読んで、なにとぞそのお考えを改めていただければと!。まずがーと、話をしましょうかねぇ・・・それでは「ビール」と「発泡酒」の定義から。
『ビール』
麦芽、ホップ、水、麦、米等を原料に使用したもので、麦米等の重量が麦芽の重量の10分の5を超えないもの。
『発泡酒』
麦芽又は麦を原料の一部とした発泡性のある酒類。
これじゃ、さっぱり判らねーよー!って?。まぁ、噛み砕いて云うと、大きな意味では麦芽の使用量がすべての原料の66パーセント以上を占めるのが「ビール」。それ以外が「発泡酒」ってなことになりそうなんですが・・・なんと、私の造っている「発泡酒」の麦芽使用率は、およそ80パーセントもあるんです!。なんでー!っと悲鳴が聞こえてきそうですね(笑)。

実はですね、定義されている原料以外のものを使用すると、麦芽率では「ビール」であっても「発泡酒」になってしまうんです。ですから香りづけにハーブやフルーツを使ったビールは「発泡酒」に区分され、ベルギービールによくある果物などを使用しており、ビールでありながら「発泡酒」扱いにされてしまうのです。
宮古島マイクロブルワリーではドライホッピングという英国伝統の手法で、ホップをハーブのように香り付けとして使う発酵方法で「ビール」を作っていますが、日本の酒税法上では「発泡酒」に分類されてしまいます。「発泡酒」というのは日本独自のビールのジャンルで、グローバルスタンダードで見ると、どちらも「ビール」なんです。

じゃあビールは造れないのか?って声も聞こえてきそうですが、これまた酒税法ではビールを造るために必要な免許を出すためには、年間60キロリットルの生産能力を有する設備と、約束された販売先が必要だとと決められているのです。これって「とぅりば」で云えば1日あたり500本以上の生産が必要で、とても夫婦ふたりたけで造っていくことはできましぇん(汗)。
しかも、醸造設備にも○億円はかかることでしょう。発泡酒を造るための免許ならば、ビールの10分の1の生産量(年間6キロリットル)でいいので、これだったらなんとかふたりでもやっていけるし、設備も小さくて済むから大きな工場を建てる必要もありません。ましてや宮古島の特産物を使った、オンリーワンの島の地ビールを造ろうとしていた自分たちに必要な免許は発泡酒であり、醸造サイズもうってつけのサイズだったのです。どことなく言い訳がましい内容になっていますが、私は胸を張って声を大にして、宮古島マイクロブルワリーで作っている「とぅりば」は、「そうです。発泡酒です!」っていいますからね。

おわりに。前回、少し触れたハブのおつまみメニューをリニューアルしました。結構美味しいと(まぁ、本人達を前にして不味いとは云えないか・・・)評判のようで、この新メニューでしばらくやっていきますね。
『自家製アイスバイン風』・・・・・・300円
塩漬けした豚肉でさっぱりとした味わいです。ザワークラウト(キャベツの酢漬け)と一緒にどうぞ。ほんとは豚のスネ肉を使うんだけど、手に入らないのでモモ肉を使ってます。だから「風」なのね。
『2種のソーセージ』・・・・・・500円
島唐辛子を練りこんだチョリソーとイカスミのソーセージの盛り合わせ。ごめんなさい、これは残念ながら自家製ではありません。
『グリッシーニ&プレッツェル』・・・・・・300円
ポリポリとした食感のスティックと、ビールによく合うプレッツェル。グリッシーニは自家製パンの材料で作ってます。
ただいま、グラスビールをご注文いただいたお客様には、かあちゃんが作ったパンをサービスさせていただいております。ビール酵母で作ったパンをツマミに、まぁ一杯やってくださいな。
そしてそして。いよいよ今月あたりは黒ビールを仕込んでみようかと思っています。早ければ1月中旬くらいには、お出しできるかと思っておりますので、お楽しみにー。
※ ※ ※ ※
[筆者紹介]
マイスターT
将来、住みたいと思っていた宮古島へ、ひょんなことからハマってしまったビールを造るために、46歳の若さで仕事を辞めて、愛妻と愛犬とビールタンクと一緒にやって来てしまった、ちょっと無謀な男。
車・バイク・ボート・釣りが好きなのですが、島ではとりあえず車とバイクはおあずけ。ひとまずは島の地ビールが売れたら、マイ・ボートで思う存分に釣りへ出ることが、今の夢。
※バックナンバーはコチラ
[Miyakojima Micro Brewery]
所在地:沖縄県宮古島市平良久貝703-3 地図はこちら
TEL:0980-79-0059
Blog:宮古島マイクロブルワリーのマイクロな一歩
http://mmb.ti-da.net/
Pub
営業時間/15:00~20:00(LO.19:30) 定休日/火・水・木曜日
(文:マイスターT@Miyakojima Micro Brewery 編集+写真:モリヤダイスケ)
Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(2)
│まずがーと物語
この記事へのコメント
ビールと発泡酒の違い、なるほどぉ☆詳しく勉強になりました!!
前回、島滞在時に仕込みの写真付新聞記事を宿で読んでいたので気になってます(^^)/
残念ながら、私はアルコールNG体質なので全く飲めませんが(ビールの味は好きなのにぃぃ…涙)
お土産用にまた買いに行かせていただきますね〜
ちなみに…お店近くの某賑やか宿リピーターです(笑)
前回、島滞在時に仕込みの写真付新聞記事を宿で読んでいたので気になってます(^^)/
残念ながら、私はアルコールNG体質なので全く飲めませんが(ビールの味は好きなのにぃぃ…涙)
お土産用にまた買いに行かせていただきますね〜
ちなみに…お店近くの某賑やか宿リピーターです(笑)
Posted by バナナ at 2010年12月14日 14:59
バナナさん
コメントありがとうございます。
次回宮古島に来られる時は是非お立ち寄りください。
来月中旬以降ですと、黒ビールもできてるかも・・・です。
コメントありがとうございます。
次回宮古島に来られる時は是非お立ち寄りください。
来月中旬以降ですと、黒ビールもできてるかも・・・です。
Posted by マイスターT at 2010年12月16日 12:30