2008年12月09日
KAZE耐 in 宮古島

南国、宮古島に冬を告げる風物詩ともいえる、ジェットスキーの耐久レースが今年もやってきました。天候にも恵まれて汗ばむほどの陽気の中、与那覇前浜を舞台に「KAWASAKI KAZE JETSKI耐久レース」、通称「KAZE耐」が開催されました。
この耐久レースは5月のオクマビーチ(JALプライベートリゾートオクマ:国頭村)を皮切りに、北海道、広島、福島、愛知と国内を巡り、一年の締めくくりとして再び沖縄で開催される、KAWASAKIライダースクラブのイベントレースです。
ジェットスキーというと、マリンレジャーの王道的なアクティビティーで、真夏のビーチを気持ちよさそうに疾走!。そんな爽快なイメージですが、KAZE耐はクラブイベントとはいえ真剣勝負のれっきとしたレース。ライダーたちは一様にヘルメットにゴーグル、スーツをまとい、普段のビーチではしゃぐマリンレジャーにはない、マリンスポーツの緊張感が漂っています。
エンデュランスレースという方式で、1~4人が1チームとなり、規定時間(この大会は二時間)における周回数の多さを競う耐久レースになっており、全国からプロ・アマのライダーチームに加え、地元・宮古島のチームも参戦しています。

水面が日差しを浴びてキラキラと眩しい前浜ビーチは、スタート前の緊張感とレースへの期待感が入り混じった空気にあふれていました。レースはクラス別に午前と午後に行われ、午前中は大排気量のランバウトクラス(過給機付のスーパーランバウトと混走)の二時間耐久レースが始まろうとしていてます。
スタートラインに並んだ第一ライダーが、kAZE耐の華・KAZEギャルの合図でいっせいに砂浜を走って、波打ち際の愛機に飛び乗り、飛沫を巻きあげて勢いよくミヤコブルーの海へと飛び出してます。
前浜と来間島の間に設置されたブイで作られたコースを、右へ左へ激しくスラロームを繰り返しながら、うなるエンジン音とともにフルスロットルで、波間を蹴散らして飛ばして行きます。
文字通りの迫力満点。それもそのばす、このランバウトクラスは1500ccもあるような大排気量エンジンを積んだジェットスキー。中には水冷4気筒インタークーラー付きスーパーチャージャーなんて、モンスターマシンもあり、島でよく見かけるビッツやマーチといったレンタカーなんかよりも、大きな排気量のエンジンを小さなボディに積んでいるのですから、まさにエンジンの上に跨って海を疾走しているといってもいいかもしれません。

波頭を飛び、水煙を上げ、快走を続けるマシンも、二時間の長丁場をそのまま走り切ることは出来ません。F1と同じようにピットワークも重要なレースのポイントです。燃料を多く積めばノーピットでたくさんの周回が出来るが、マシンが重くてスピードが出ない。かといって少なければ給油のピット数が増えてタイムロスになる。また、パワフルなマシンをコントロールするライダーも、長時間の連続走行は体力を疲労するため、ライダー交代などのチームワークと駆け引きもレースの見どころです。
そしてまくしたてるようにレース状況をレースDJが勢いよく煽り、ピットレポーターによるライダーやピットクルーへのインタビューを交え、会場を大いに盛り上げるて楽しませてくれます。
レース結果はコースアウトや危険運転などのペナルティの有無によって、最終周回が確定するためゴール順で即、優勝が決まらない点はやや判りづらいのですが、スーパーランバウトクラスもランナバウトクラスも島外勢が優勝。宮古島のチームも健闘し、TEAMクルーがランナパウトクラスで三位を獲得しました。

午後のレースを前に、大会はお昼休みに入りましたが、ここでプロフリースタイラーによるエキジビジョンが行われました。周回やタイムを争うレース系のではなく、巧みなジェットさばきでアクロバティックな演技を競うフリースタイルのプロ、渡部文一選手と野田明進選手によるフリースタイルのパフォーマンスが披露されました。なかでも、BUNこと渡部文一選手は「2007 IJSBA WORLD FINALS」でワールドチャンピオンを獲得したほどの腕前。ワールドクラスのど派手なパフォーマンスで観客を魅了しました。

午後はスタンドアップタイプのX-2クラス(同名の製品、X-2のみのレースカテゴリー)と、スキークラスの二時間耐久レースがスタート(混走)。サイズこそランナバウトに比べて小さいジェットですが、激しいデットヒートが繰り広げられ、とても劇的なラストバトルとなりました。
スタートから激しいトップ争いが繰り広げられ、レース後半から一位を守っていたチームが、レース終盤に給油のためにピットインすると、この隙を突いて二位のチームがトップへと躍り出ます。二位だったチームは、レース終了の時間まで燃料が持つかどうかギリギリの状況にもかかわらず、トップを堅持するためにそのまま走り続ける賭けに出ます。
そして二時間、KAZEギャルの手でチェッカーフラッグが振られ、次々と最終ラップを終えて各チームのマシンは戻って来たのですが、あとわずかでゴールという最後の最後でガス欠となり、最終周回を回りきれず逆転優勝を逃したのでした。

リゾートで楽しむマリンレジャーでなく、マリンスポーツとしてのジェットスキーの面白さに触れ、普段はなかなか見ることの出来ないレースの魅力も楽しむことが出来ました。コストのかかるエンジン物ということもあって、島での競技人口は決して多くはありませんが、常夏の南国の島という環境を活かして、こうしたレースなどが盛んになれば、島から世界を目指す人が現れることになるかもしれません。スポーツアイランドと呼ばれている宮古島だけに、KAZE耐を中心にマリンモータースポーツも盛り上がり、ミヤコブルーの海を颯爽にジェットが駆けぬける日が来たら、もっと面白い宮古島になるのではないでしょうか。
[メモ]
「ジェットスキー」という名称は一般名詞ではなく、川崎重工業社製の水上オートバイの商品名です。ヤマハ発動機社製では「マリンジェット」と呼んでいます。海外では一般的に「パーソナルウォータークラフト」と呼ばれています。
[参照]
KAWASAKI KAZE JETSKI
http://www.kawasaki-motors.com/js/index.html
日本ジェットスポーツ連盟(JJSF)
http://www.jjsfweb.net/index.html
2007 IJSBA WORLD FINALS(JJSFのHP内)
http://www.jjsfweb.net/07ijsbaentolist.html
IJSBA(国際ジェットスポーツ連盟:英語)
(http://www.ijsba.com/ijsba/index.cfm:英語)
BUN FREE STYLE(渡部文一、野田明進、両選手の所属チーム)
http://www8.ocn.ne.jp/~bun/
渡部文一選手 Blog
http://sea.ap.teacup.com/chiyuki/
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)

波頭を飛び、水煙を上げ、快走を続けるマシンも、二時間の長丁場をそのまま走り切ることは出来ません。F1と同じようにピットワークも重要なレースのポイントです。燃料を多く積めばノーピットでたくさんの周回が出来るが、マシンが重くてスピードが出ない。かといって少なければ給油のピット数が増えてタイムロスになる。また、パワフルなマシンをコントロールするライダーも、長時間の連続走行は体力を疲労するため、ライダー交代などのチームワークと駆け引きもレースの見どころです。
そしてまくしたてるようにレース状況をレースDJが勢いよく煽り、ピットレポーターによるライダーやピットクルーへのインタビューを交え、会場を大いに盛り上げるて楽しませてくれます。
レース結果はコースアウトや危険運転などのペナルティの有無によって、最終周回が確定するためゴール順で即、優勝が決まらない点はやや判りづらいのですが、スーパーランバウトクラスもランナバウトクラスも島外勢が優勝。宮古島のチームも健闘し、TEAMクルーがランナパウトクラスで三位を獲得しました。

午後のレースを前に、大会はお昼休みに入りましたが、ここでプロフリースタイラーによるエキジビジョンが行われました。周回やタイムを争うレース系のではなく、巧みなジェットさばきでアクロバティックな演技を競うフリースタイルのプロ、渡部文一選手と野田明進選手によるフリースタイルのパフォーマンスが披露されました。なかでも、BUNこと渡部文一選手は「2007 IJSBA WORLD FINALS」でワールドチャンピオンを獲得したほどの腕前。ワールドクラスのど派手なパフォーマンスで観客を魅了しました。

午後はスタンドアップタイプのX-2クラス(同名の製品、X-2のみのレースカテゴリー)と、スキークラスの二時間耐久レースがスタート(混走)。サイズこそランナバウトに比べて小さいジェットですが、激しいデットヒートが繰り広げられ、とても劇的なラストバトルとなりました。
スタートから激しいトップ争いが繰り広げられ、レース後半から一位を守っていたチームが、レース終盤に給油のためにピットインすると、この隙を突いて二位のチームがトップへと躍り出ます。二位だったチームは、レース終了の時間まで燃料が持つかどうかギリギリの状況にもかかわらず、トップを堅持するためにそのまま走り続ける賭けに出ます。
そして二時間、KAZEギャルの手でチェッカーフラッグが振られ、次々と最終ラップを終えて各チームのマシンは戻って来たのですが、あとわずかでゴールという最後の最後でガス欠となり、最終周回を回りきれず逆転優勝を逃したのでした。

リゾートで楽しむマリンレジャーでなく、マリンスポーツとしてのジェットスキーの面白さに触れ、普段はなかなか見ることの出来ないレースの魅力も楽しむことが出来ました。コストのかかるエンジン物ということもあって、島での競技人口は決して多くはありませんが、常夏の南国の島という環境を活かして、こうしたレースなどが盛んになれば、島から世界を目指す人が現れることになるかもしれません。スポーツアイランドと呼ばれている宮古島だけに、KAZE耐を中心にマリンモータースポーツも盛り上がり、ミヤコブルーの海を颯爽にジェットが駆けぬける日が来たら、もっと面白い宮古島になるのではないでしょうか。
[メモ]
「ジェットスキー」という名称は一般名詞ではなく、川崎重工業社製の水上オートバイの商品名です。ヤマハ発動機社製では「マリンジェット」と呼んでいます。海外では一般的に「パーソナルウォータークラフト」と呼ばれています。

KAWASAKI KAZE JETSKI
http://www.kawasaki-motors.com/js/index.html
日本ジェットスポーツ連盟(JJSF)
http://www.jjsfweb.net/index.html
2007 IJSBA WORLD FINALS(JJSFのHP内)
http://www.jjsfweb.net/07ijsbaentolist.html
IJSBA(国際ジェットスポーツ連盟:英語)
(http://www.ijsba.com/ijsba/index.cfm:英語)
BUN FREE STYLE(渡部文一、野田明進、両選手の所属チーム)
http://www8.ocn.ne.jp/~bun/
渡部文一選手 Blog
http://sea.ap.teacup.com/chiyuki/
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)
Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(0)
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