2009年07月21日
サニツ浜カーニバル2009

下地の与那覇湾に面した通称・サニツ浜で開催された「サニツ浜カーニバル」は、干潮時に出現する広大な干潟をフィールドにして、さまざまなスポーツとレクリエーションを楽しむ大会です。いつもは海の中に沈んでいる砂地を使って行われるイベントだけに、ユニークな競技が用意されて、ちびっ子からおじぃおばぁまで、健康的に海と親しみむ一日を浜辺で過ごしました。

さんさんと降りそそぐ真夏の太陽の下に姿をあらわした、700ヘクタールに及ぶ干潟は、湾の対岸にある川満まで歩いてゆけそうなくらいです。自然が作りだす芸術といってもいいくらいの干潟が広がったサニツ浜に隣接した公園で、「サニツ浜カーニバル」の開会式が始まりました。開会のあいさつ、選手宣誓も滞りなく済み、アトラクションとして地域の伝統芸能、2006年のクイチャーフェスティバルを契機に復活した下地のクイチャーと与那覇のヨンシーがが披露されました。

最初に始まった競技は干潟を使った競技ではなく、沖縄特有の格闘技・角力(すもう)でした。この角力はいわゆる“まわし”を使わず、着衣で右四つに組んでから闘いを始める、朝鮮半島のシルムやモンゴルのブフに近い格闘技なので、立会いの駆け引きがありません。また、土俵がなく砂を敷き詰めた地面で取り組みを行うので、土俵を割る押し出しの概念もなく、足技や投げで相手を倒して背中を地面につければ勝ちとなります。
まずは、今年から新設された小学生部門か行われ、ちびっ子力士の懸命な対戦に大人たちも熱い視線を送っていました。続いて一般の部の団体戦が始まりました。下地、上野、城辺の角力愛好会や地元企業チームに加え、沖縄角力の横綱を擁する沖縄角力友会も、本島から参加して白熱した取り組みが行われました。豪快な投げ技や鋭い足技が決ったりすまると、目の肥えたギャラリーから歓声が湧き上がります。
近年、注目が高まっている伝統格闘技の沖縄角力。激しい技の応酬と目まぐるしい攻防が繰り広げられる熱戦は、なかなかに面白くつい見入ってしまいました。午後からは宮古角力のナンバーワンを決める個人戦が行われました。
広い干潟を利用して楽しむサニツ浜カーニバルは、あちらこちらでさまざまな競技が同時に行われています。公園の芝生ではグラウンドゴルフ大会に燃え、まだ少し水が残る干潟のコートで砂まみれになりながらドッジボールに熱くなり、しぶきをまきあげながらボールを追うサッカーに沸き、たくさんの人達が参加し応援し、思い思いにサニツ浜カーニバルを盛り上げ楽しんでいました。
潮の引いた浜辺のメイン会場では、綱引きが始まっていました。干潟の柔らかい砂地で行う綱引きは、単純に綱を引くチーム力や駆け引きだけでなく、足場の悪さから思わぬ珍プレーが生まれるなど、予想外の結末になる面白さに一喜一憂していました。
特に男子綱引きはパワーを売り物にしているチームが、干潟に脚をとられて逆転負けする一幕もあったりと、日差しに負けない白熱した試合に盛り上がっていました。
特にビーチパレーは人気が高く、男女ともブロック予選を経て、トーナメント本戦を開始するほどに参加チームが多く。人気に恥じない熱気にあふれたゲームが干潟の上で展開されていました。
伝統行事であるサニツは現在でも各地で行われていますが、ここ与那覇集落で行われているサニツは、古くから島内各地から多くの人たちが集まり、宮古角力や浜競馬が行われてにぎわっていたのだそうです。そんな伝統あるサニツで行われていた行事を、町の活性化に活かそうと旧下地町と元宮古広域事業組合が、誰もが参加できるスポーツとレクリエーションのイベントとして復活させたサニツ浜カーニバルの目玉が宮古馬による草競馬。しかも今回は、元JRAジョッキーの岡部幸雄さんが参戦というサプライズ。
7頭がエントリーして、『第19回サニツ浜ステークス』は良馬場の干潟へ出走? 1枠・次郎号が飛び出してレースをリードしてゆきます。6枠の岡部さん騎乗のタケ原号は少し遅れて3位で第1コーナーを廻ってゆきます。スタートはまずまずだったのに、コーナーの途中で3頭ほど立ち止まってしまいました。草競馬ならではの緩さです。3頭は散歩でもしているかのようにのんびりとあっちへこっちへ。騎手のいうことなど馬耳東風。
一方、競馬らしくデーットヒートを繰り広げている先頭は2周目に入り、追いつ追われつの展開を逃げ切って1枠の次郎号が連覇を果たしました。岡部さんのタケ原号は残念ながら2着に。やはり島の農耕馬として使役されてきた小型の在来馬と、走るために生まれてきたサラブレッドとは勝手が違ったのでしょうね。
10人11脚競争では中学生たちの若い力が大活躍。一回戦で大人たちのチームを圧倒的な走りで次々と破ると、二回戦で並み居るライバルたちを蹴散らして挑む決勝戦は、奇しくも同じ上野中の先輩と後輩の対戦となりましたが、意地を見せた先輩チームが、一気に干潟を駆け抜けて見事、優勝を飾りました。
サニツ浜カーニバルはパワー系の競技が多いもの特徴のひとつで、力自慢たちがそのパワーを競いあう人間輓馬(ばんば)競争は、200キロの橇を干潟の上を100メートルを引くという単純なルールですが、単純なだけにそのパワーの凄さが伝わってくる迫力満点の競技でした。
最後を飾る競技はサニツ浜カーニバルならではの水中駅伝です。ゆっくりと満ち始めてきた干潟でのリレーは、派手にしぶきを上げながら力走します。沖に近い場所では海に脚をとられて転倒する選手も出るなど、見てても楽しいレースとなりました。
競技を終えた人たが木陰にシートを広げ、仲間同士や三世代家族が思い思いに集い、ピクニック気分でくつろいでいました。サニツ浜カーニバルのさまざまな競技に参加して、心地よい汗を流したあとの笑顔を見ると、競技の結果はともかくサニツ浜カーニバルは、参加してこそ楽しいイベントなのだということがよく判りました。
『岡部フロンティア NIPPON馬紀行 -2009年 夏-』
この模様は2009年8月27日(木)と9月3日(木)の前後篇で、グリーンチャンネルにて放送予定。
■グリーンチャンネル http://www.gch.jrao.ne.jp/
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)
まずは、今年から新設された小学生部門か行われ、ちびっ子力士の懸命な対戦に大人たちも熱い視線を送っていました。続いて一般の部の団体戦が始まりました。下地、上野、城辺の角力愛好会や地元企業チームに加え、沖縄角力の横綱を擁する沖縄角力友会も、本島から参加して白熱した取り組みが行われました。豪快な投げ技や鋭い足技が決ったりすまると、目の肥えたギャラリーから歓声が湧き上がります。
近年、注目が高まっている伝統格闘技の沖縄角力。激しい技の応酬と目まぐるしい攻防が繰り広げられる熱戦は、なかなかに面白くつい見入ってしまいました。午後からは宮古角力のナンバーワンを決める個人戦が行われました。


特に男子綱引きはパワーを売り物にしているチームが、干潟に脚をとられて逆転負けする一幕もあったりと、日差しに負けない白熱した試合に盛り上がっていました。


7頭がエントリーして、『第19回サニツ浜ステークス』は良馬場の干潟へ出走? 1枠・次郎号が飛び出してレースをリードしてゆきます。6枠の岡部さん騎乗のタケ原号は少し遅れて3位で第1コーナーを廻ってゆきます。スタートはまずまずだったのに、コーナーの途中で3頭ほど立ち止まってしまいました。草競馬ならではの緩さです。3頭は散歩でもしているかのようにのんびりとあっちへこっちへ。騎手のいうことなど馬耳東風。
一方、競馬らしくデーットヒートを繰り広げている先頭は2周目に入り、追いつ追われつの展開を逃げ切って1枠の次郎号が連覇を果たしました。岡部さんのタケ原号は残念ながら2着に。やはり島の農耕馬として使役されてきた小型の在来馬と、走るために生まれてきたサラブレッドとは勝手が違ったのでしょうね。




『岡部フロンティア NIPPON馬紀行 -2009年 夏-』
この模様は2009年8月27日(木)と9月3日(木)の前後篇で、グリーンチャンネルにて放送予定。
■グリーンチャンネル http://www.gch.jrao.ne.jp/
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)
Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(0)
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