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2008年12月19日

クイチャーおと~り 第一便

クイチャーおと~り 第一便
敬虔な祈りの中から生まれ、古くから生活にも密着した、宮古島伝統の民族芸能「クイチャー」への思いや、クイチャーを通して映る島の文化や風景などを、宮古島特有の泡盛の飲み方「おとーり」を模して、リレー形式のエッセイでお届けする「クイチャーおと~り」。
第一便はアイランダーアーティストとしても活動されている、クイチャーフェスティバル実行委員長の下地暁さんです。

※   ※   ※

寝たっきり状態の続く母の病気を気遣い幾度となく里帰りを繰り返していた約20年前、島の方言を聞くことは出来ても話すことが出来ないそんな甥っ子や姪っ子(若い子)に、島の方言がなくなる事は、両親を失うことと等しい”のでは・・・。そんな寂しさと虚しさと危機感に駆られ、様々な葛藤もありましたが、“音楽を通し島の方言を残し次の世代に繋げていこう”と心に決め東京からふるさと宮古島に活動拠点を移しました。

いつしか島の文化や伝統芸能にも意欲が湧いていたその頃、初の宮古公演となる「琉球國祭り太鼓」のエイサー演舞が今は失き平良市民会館であり、偶然にも同じステージに立たせて頂きました。

その時の若者が自分の故郷の文化に、自信と誇りを持って活き活きと演舞している姿は、鳥肌が立つほどの感動そのもので、それとは裏腹に宮古にはクイチャーがあるに何故・・・そんな疑問と同時に寂しさがこみ上げて来ました。
クイチャーおと~り 第一便
【画像は、第一回クイチャーフェスティバル2002の様子】

 

「クイチャー」を何とか出来ないか、そんな思いから2002年の「第1回クイチャーフェスティバル」開催までの8年間、島の独自性と文化を大切にしようというメッセージとして、琉球國祭り太鼓や島袋本流・紫の会、亀浜律子琉舞練場・久田本流家元、久田多嘉子琉舞研究所などの創作団体に、創作舞踊曲としてオリジナルや宮古民謡をアレンジし提供してきました。
クイチャーおと~り 第一便
自分の器量や力量の無さもあったのでしょう、エイサーの波は留まることなく学校行事など宮古全島へと広がって行きました。子どもたちに宮古の伝統芸は?と尋ねると「エイサー」と返ってくる答えに、このままでは故郷が故郷で無くなってしまう・・・。そんな危機感と宮古に戻って10年目の年に何かをしたいとの思い、そしてその年が奇遇にも「人頭税廃止100年」目である事、その廃止をクイチャーの歓喜で祝ったことを知り、フェスティバルを開催する事は人頭税で苦しんだ先人への「感謝」そして「供養」にもなるのでは・・・そんな思いと使命感に背中を押されるように動き始めました。

ふるさとへの「思い」をキーワードに仲間が月1~2回喫茶店で集り会議、そこから実行委員会が発足し事務局を借り事務機器を購入・・・それらも全てメンバーで資金を出し合い動き始めました。
先ずは、「伝統」を見直しそれに興味をもってもらうには「創作」が必要ではと「創作クイチャー」用の創作活動に専念「クイチャーあぁぐ」のアルバムCDを制作。

慣れない企画書などの作成、挨拶回り、協賛依頼・・・意気揚々と動き始めたのはいいものの、頑張れと応援してくれる人もいれば。「クイチャーフェスティバル」って何!?と反応が無く、それどころか売名行為だ!金儲けの為にやろうとしている!・・・思いもよらない中傷に翻弄され自分を見失う日々が続きました。
クイチャーおと~り 第一便
そんな誹謗中傷に呆れ、立ち上がり共に動いてくれたのが現在の事務局長・粟國和伸さんでした。
2人で各行政機関を回る日々の中、ご理解とご協力を頂く方も増え始め「温故知新」「大切なものは身近なところにある」をコンセプトに「第1回クイチャーフェスティバル2002」を旧平良市総合体育館で開催することが出来ました。そこには、それぞれ思いは違ってもふるさとを愛する人々の笑顔があり、深い感謝と島の未来に一筋の光を見ることが出来ました。
また回を重ねるごとに「愛好会」と「保存」を志す地域や世代間交流も増え、喜びと責任を感じています。

このクイチャーフェスティバルは行政からの金銭的支援を得ず、実行委員一人一人が協賛企業を募り完全ボランティアで活動運営しています。そんな一人一人の「思い」の結集が「クイチャーフェスティバル」を成功へと導いているのだと感謝してやみません。

現在過去7回を終え、これから10回20回と回を重ねて行く上でのレベルアップを考え、実行委員会と連携しながらも他に「創作部門検討委員会」を発足し動き始めました。
他にも学術的な見解やクイチャーフォーラムなど、まだまだ取り組みたい事がありますが、皆さんのご指導やご意見等も賜りながらひとつひとつ歩んで行きたいと思います。
クイチャーおと~り 第一便
たかが「クイチャー」、されど「クイチャー」。そこには私たちを育んできた先人の精霊が宿り、私たちに見えない何かを、この島の風や草花や木々や鳥・・・に姿を変えメッセージを送っているのだと思います。ふるさとがふるさとであるために・・・それぞれがそれぞれにできることを・・・。

ン~ナ~ウガナ~リ クイチャーフェスティバルンカイ ンミャイフィ~サマチヨ~。
(皆さん揃って クイチャーフェスティバルに お越しくださいね~)
ということで、次は頼れる兄貴、事務局長の粟國和伸さんに繋ぎたいと思います。

クイチャーフェスティバル実行委員長 下地 暁  

※   ※   ※

◆クイチャーフェスティバル
HP http://quicha.sakura.ne.jp/
Blog http://quichafestival.ti-da.net/
#2009年の第八回は、11月1日に開催予定(毎年11月の第一日曜日)
#HPでは2008年第七回の模様を収めた、アーカイブスの公開中(過去大会も収録)。
【メモ】
2006年(平成18年)12月:離島フェア実行委員会より「島おこし奨励賞」を受賞。
2007年(平成19年) 3月:(財)地域活性化センターより「ふるさとイベント大賞奨励賞」を受賞。

(制作+画像提供:クイチャーフェスティバル実行委員会 企画編集:モリヤダイスケ)





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Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(0)クイチャーおと~り
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