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2009年11月06日

日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編

日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編
2009年10月8日、Google Street Viewに宮古島が対応しました。以前、島にGoogleのカメラ車が上陸しているという情報を耳にしていましたが、世界中のどこからでも宮古島を擬似体験することが出来るようになりました。早速、島のあっちこっちをあれやこれやと覗いてみると、見飽きない面白さはあるですが、なにぶん撮影から公開までそれなりに時間が経っていることもあり、リアルに島で暮らしていてモノとしてはちょっと歯がゆさも。そこで思いついたのがこの実験企画。果たして面白く仕上がるでしょうか・・・。

リアルにStreet Viewをするという実験ならと、選んだストリートは島を貫く日本最南端の国道390号線。石垣島の美崎町の石垣港を起点にとし、那覇市の東町旭橋交差点(国道58号・国道330号の終点でもある)へと至る、総延長552キロの国道です。とはいえ有名な国道58号線同様(鹿児島~那覇)、島伝いに国道に指定されている国道なので、途中にある海を走ることは出来ません(便宜上、海上区間として指定され、陸地間を結ばれていますが、航路で結ばれている地点とは異なっています)。国道390号線の陸上区間は総延長に対して、わずか57.7キロしかなく、宮古島を走る区間も26.9キロしかありません(石垣区間30.2キロ、本島区間0.6キロ※道路時刻表)。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編そろそろ能書きはやめにして、スタート地点に向かってみたいと思います。宮古島の国道390号の起点は、宮古島市城辺字保良。行き止まりでも交差点でもなく、忽然と国道が始まります。Street Viewの画像で確認してみると、国道と県道83号の境は、やや東平安名崎寄りの案内標識板(300メートル先の予告板)の下になっています。でも、この少し先のコマ(海宝館方向)には六角の県道83号の標識がしっかり立っています。ということはStreet Viewが示す起点は、まだ県道83号ということになります。ではどこからが国道390号なのか・・・。


見つけました。路面を良く見ると、路側の白線が急に現れているところがあり、舗装もここを境に変化が見られます。舗装の境に埋め込まれた鋲を発見。踏まれてかなり変形していますが、「平成8年3月 国道390号 舗装補修工事」とありました。どうやらここが石垣島の伊原間から海を越えて再び上陸した国道390号の宮古島の起点です。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編起点のすぐ脇にある保良川ビーチの入口と海宝館をあとにして、いよいよ出発です(Street Viewの次のコマへ進んで見てください。画像はひとコマだけ道路のない保良川の斜面を走り、更に次のコマで保良川の入口から国道に合流します!)。
※国道マニアの間では国道番号標識の形から、親しみをこめて「オニギリ」と呼びます。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編国道は海から離れ、島の内陸部へと向かいます。サトウキビ畑の中を緩やかなアップダウンとカーブを描いて進んでゆくと、保良の集落が現れました。国道は変形十字路の中央を進んで集落内に突入します。どこにも国道番号はなく、道幅も狭くなってセンターラインもなくなり、ごく普通の集落道路と化してしまいました(文末の“走ってみた”VTRでは、ミスで走破をしていない区間です)。集落の中ほどのなんのへんてつもない十字路を左折して、さらに集落内を進みます。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編角を曲がっても国道らしくない道が続きます。やや道幅は広がりまっすぐな道路になりますが、ローカル度は満点です。やがて、集落から抜けるのですが、なんと国道の方が「とまれ」になっています。非優先道路になっています(この区間のStreet Viewは見所があります。事故なのかパトカーが二台も止まっていたり、民家の車庫に入ってしまいそうな画像、ひとコマだけあらぬところを走ったりと・・・)。
“とまれ”を右折すると、ようやく国道らしい歩道もある立派な車線となりました。頭上の案内標識に「平良」の文字がありますが、道路時刻表によると島内の全長は26.9キロしかないはずなのに、標識には29キロと描かれています(数値の違いは一体・・・)。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編保良を抜けると、ふたたび周囲はサトウキビ畑が広がり快適なドライブが楽しめます。しばらくすると遠くにふたつ風車が見えてきました。七又の風車です。
広く快適な道なので間違うことはまずないと思いますが、皆福に入りひさしぶりオニギリが出てきました。皆福の周辺にはローカルな見所があります。そのひとつか皆福ダム公園。ダムといっても宮古島特有の地下ダムなので、ここでは水面は見れませんが、ここが実は地下ダムの第一号だったりします(野生に帰ろうとしている公園の廃れ具合も廃墟系が好きな方には見所?)。
目の前に横たわる丘脈に向かって国道は続いています。宮古島の特有のケスタ地形(隆起した地層が傾いて、いく筋もの丘脈が波型をなしている片側だけが急峻な登りのある地形)が作り出す急登な坂路です。途中、さとうきび畑が広がる中にふたつの山が並んでいるのが見えます。城辺名物のおっぱい山(胸の谷間に道があります)。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編坂を登りきると、急に町っぽくなり福里集落へと入りました。ここは旧城辺役場や交番、郵便局、学校、図書館などが集中し、旧・城辺町の中心地です。
福里交差点に到達しました。国道390号で初めての信号です。ここを直進する県道78号(城辺線)に進めば平良への近道です。また、右へ曲がれば新城海岸へと出ます。
国道はここを左折して、福里を離れます。県道78号に沿って町並みが発展しているので、曲がったとたんに人家が減り、またしてもサトウキビ畑が広がります(途中の見所?:ドーム型のお家があります)。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編宮古島の国道390号で最大の難所にさしかかりました。激しい高低さと急カーブある区間ですので運転には注意しましょう。ここはちょうど接近した2本の丘脈の谷間を走ることになるっています。特に西向き(上野方向)へは長く急な登り坂があり、時折、息切れしている車を見かけます(特にオジィの軽トラ)。

大きな地図で見る(場面を回転させると谷の底なことが判ります)

日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編難所を登りきると、またまたサトウキビ畑の中を進みます。この付近は古い国道(琉球政府道⇒県道時代の狭い区間)が残っており、以前はなかなか趣きのある国道でしたが、現在は拡幅工事が進められています(Street Viewではまだ工事がそれほど進んでいません)。
工事区間をぬけると、城辺ではとても有名な標語「すなかぎくがに」の看板が友利集落の入口にありました。「すなかぎくがに」の意味として、「素直でやさしい社会の宝」と注釈が添えられていますが、すな=品(品行)、かぎ=美ぎ(美しい)、くがに=黄金。という語源で、日頃の行いがよい者は宝玉であるという意味(意訳)から、特に子供に対して戒めを込めた褒め言葉として使われます。
大きなS字カーブを過ぎると、390号でふたつ目の信号となる「砂川」の交差点です(工事途中が見れます。3コマ進むと人の家に入り込んでしまいます)。ただ、読みは難読で「うるか」となります。近年、拡幅改修が済んで整然とした雰囲気になってしまいました。
余談になりますが、ここまでおよそ全行程の三分の一を走って来ましたが、信号がまだふたつしか出てきていません。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編砂川交差点を過ぎて、砂川集落の中をしばらく走ってゆくと、泡盛メーカーの多良川と宮古そばで有名な丸吉食堂が見えてきました。この向かい側は宮古精糖があります(四コマ戻ると変なところを走ります)。
もう少し進むと旧・上野村となります。以前は坂の途中に町村界の標識がありましたが、宮古島市合併前と道路拡幅で不要となってしまったので、設置されなくなってしまいました。
坂を登ったところには消防署上野支署があります。東側は眺望が広がっており、望楼からの火事発見には役に立ちそう。南に目を転じると、ちょうど坂の切通しから海が見渡せます。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編新里の交差点に到着しました。ここにはクイチャーフェスティバル2009にも出演した、今話題の「ミヤコマモル君」が立っています(進行方向に向けてあるので、右に回転させるとマモル君の勇姿を拝むことが出来ます)。このあたりからしばらくマモル君が集中して立っているので、マモル君ファンは聖地といえるかもしれません。
信号を超えると集落の家並み続きますが、この壁面には地元の子供たちが描いた、力作の「壁画」がずらりと並んでいます(進行方向右側のみ)。
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編新里集落を抜けると、サトウキビ畑の広がるのどかで走りやすいが道が続きます。やがて、右に一体(大嶺北)左に一体(上野支所南)、ミヤコマモル君が交差点に登場します。
ただ、残念なのはこの二体とも、現在はいたずら書きがなされています。非常に残念です。誠に遺憾に思います。
大きな左カープを曲がると、旧・上野村役場(現在は宮古島市役所上野支所)が見えてきました。ここには観光商工課があるので、旅で困ったらことがあれば立ち寄って見るとよいかもしれません。
上野支所を過ぎれば国道390号の四つ目の信号がある上野交差点です。ここを左に曲がれば「うえのドイツ文化村」。右に曲がれば宮古空港へ向かうことが出来ます。

ここまで城辺から上野を駆け抜け、国道390号のおよそ半分を走破しました。思いつきの実験企画としてやってみた「日本最南端の国道を行く」、予想以上に行数を消費してしまったので、ひとまず前編の投了としたいと思います。次回、完結の後編では下地・平良を暴走してみせます。
それじゃ締まらないよ~っと、お嘆きの貴兄には、こちらの「国道390号線を走ってみた」をご覧頂き、溜飲を下げておいてください。

「国道390号線を走ってみた 宮古島編」 YouTube版 

ニコ動版なら、高画質でお楽しみだけます。
個人的な感想ですが、宮古島編のBGMの一曲目がとても秀逸です。知る人ぞ知るスペシャルでスーパーなマニアックな選曲に頭が下がります。
国道390号線を走ってみた 石垣編 (ニコ動版)
国道390号線を走ってみた 本島編 (ニコ道版)

(文+写真+編集:モリヤダイスケ)





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Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(0)かんちーな企画
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