2009年07月07日
アイランドマンホールコレクション
道を歩いていると、鋳鉄製の丸い蓋を見かけたことありませんか?。“マンホール”とか“人孔”と呼ばれている、あの錆色のニクイ奴です。ネットで検索してみると静かなブームなのか、コレが気になってしょうがないという方が結構いらっしゃいます。今や一億総マニア時代ですから、そんなマニアックな蒐集癖だって大いにあるのではないでしょうか。たかが蓋と云うなかれ、マンホールには設置した自治体の個性が豊かに表現されていて、実に楽しい表情を持っています。ということで宮古島のマンホールを色々と集めてみました。
マンホールとひと口に云っても、電気、ガス、電話、上水道、農業用水、工業用水など設置用途はさまざまにあり、大きさも色々とありますが、主に蒐集の対象になっているのは、最も一般的であり、個性的な下水人孔(汚水マンホール)です。一番よく目にするタイプは、直系75センチほどの円形で0号マンホールと呼ばれているもので、その蓋の表面に、地域の名所や名物、お祭りなど色々なデザインがされています。
残念なことに宮古島での公共下水道の普及率はとても低く、島内でも旧平良市内にしか設置されておらず、その平良市内の普及率は16.5パーセント(当時)でした。2005年の宮古島市合併で普及率の割合は、13.2パーセント(2006年)とポイントは減少(普及率は行政人口のうち下水道を利用できる、地域の人口の割合で算出するため)、県内の市としては南城市(11.7% 2006年)に次いで低いレベル。口の悪い言い方をすれば、それ以外はある意味垂れ流し。「宮古の海は綺麗だねぇ」とはよく云えたものですが、まぁ、実際はもう少し違うようです。
公共下水道は道路下に敷設されるため、国土交通省の管轄になるそうで宮古島市では、建設部下水道課が担当しています。これとは別に生活排水を地域単位で処理をする、農林水産省管轄にあたる農漁業集落排水という事業があり、島内では久松、池間、高野、比嘉、与那覇などに敷設され、経済部むらづくり課によって管理されています(公共下水とは別ものですが、蓋コレクションでは同じレベル)。とはいえ全戸全域には、まだまだ程遠いのが現状といえます。
ぐたくだと前置きが長くなりましたが、それでは宮古島のマンホールコレクションをお楽しみ下さい。
【旧平良市】
島で恐らく一番多く見かける、島唯一の公共下水道のマンホール。円の中心に平良市の市章を配し、上半分は毎年4月に開催されるトライアスロンの三種目(スイム・バイク・ラン)を、下半分に宮古島伝統の民俗芸能、「クイチャー」の踊る姿をそれぞれあしらい、中央部の左右には、「島尻のパーントゥ」が描かれています。そしてよく見ると、全体に模様のように入っている鳥型はサシバがデザインされ、なんとも盛りだくさんで賑やかなマンホールです。
こちらも旧・平良市のマンホールですが、左は、宅地の前などに設置されている汚水枡(家庭から出た排水を下水本管に)に使われているの小型のタイプ。右は路上でも確認できますが、数は少ないややレアなサイズの中型。どちらも大型のデザインからパーントゥを抜いたものですが、微妙にサシバの数が違います(中型の方が面積が大きいのにサシバが少ない)。
[左] 市場通りのカラータイルの歩道に設置されていた、コンクリートタイプの蓋。小さく市章と「汚水」と書かれたプレートがあるだけなので、賑やかな鋳鉄製と比べるとやたら地味に見えます(カラータイル舗装対応でこうなった?)。
[右] 雨水マンホール(排水とは別に、処理の必要のない雨水専用の下水管)。概ね市街の県道上で見かけるので、中心のマークは偏心二重丸の沖縄県県章が印されています。この波を円形に並べたデザインは県の事業で使われているマンホールの基本パターンのようです。この波頭のデザインはエキスポ75(沖縄国際海洋博覧会)の図案と同じ?。
【旧城辺町】
こちらは区分としては農漁業集落排水となりますが、もちろん立派なマンホールです。ポスターなどで見かけるお約束の東平安名崎の構図をデザインしたものに、平安名埼灯台(灯台の正式名には、東はつかず、崎の字も異なる)と岬に咲くテッポウユリをあしらったもの。コストはかかるでしょうが、色付だったらとても人気が出たかも知れませんね。
【旧下地町】
こちらも農漁業集落排水に区分されるマンホール。ハイビスカスのサークルの中に、与那覇湾の干潟を利用したサニツ浜カーニバルで行われる、躍動感ある宮古馬の草競馬の様子が描かれています。下地町章が円のセンターでなく、雲の中に書かれているのも面白いです。
以上、おしまいです。
合併で単一自治体になったものの、まだ宮古島市のマンホールはお目見えしていないのと、伊良部、上野の旧町村では農漁業集落排水がなく、地域オリジナルのマンホールはついに作成されませんでした。また、旧平良市内の農漁業集落排水も、平良の公共下水と同じデザインのマンホールを使っているので、旧三町村のみであっさりとコンプリートしてしまいました。
コレクションというには、あっけなさすぎでしたね。なので、宮古島までよく見かけるマンホールを少々。
[左] カラータイル舗装に擬態して設置されているマンホール。中央のマークから沖縄県管理と思われますが、通信と書いてあるので、島内ケーブルテレビの宮古テレビあたりが埋設されているのでしょうか?、中身がちょっと気になります。
[右] 蓋には電力と書かれているので、中身は沖縄電力ではないかと思われますが、沖縄電力のマークではなく県章が書かれています。撮影場所は市場通り(県道)なので、恐らく道路拡張で電線の地中化を行った関係から、使用者と管理者が異なるのでしょう。
同じライフラインなのに、なぜか電話は個別に埋設されいるようです(監督官庁の差?)。「T」の網模様の基本デザインはそのままですが、電電公社からNTTに変わってすでに20年以上が経過してもなお、公社時代のマークは健在です(磨り減り具合が絶妙ですが)。
[左] 上水道系の弁筺は普通、小さ目な蓋が多いのですが、宮古島水道局(合併により、宮古島上水道企業団と伊良部町水道課が合併して局)のマークの入った制水弁は大ぶりで、宮古島島内ではあちこちで見ることが出来ます。
[右] 農業用水の弁筺。こちらも島内の特に農村部でよく目にします。県系マンホールの波頭デザインの中心に「農」の字が入っています。
[左と中] 四角い蓋の消火栓。地域や年代によって若干様式に差異がありますが、消火栓にしては割とオーソドックスです。ちなみに伊良部・佐良浜地区の漁港には、近年少なくなった地上式消火栓が多数あります。
[右] 最後はオマケとして、多良間村上水道の制水弁(サイズは小さいタイプ)。下水系のマンホールはないのですが、村章がついているで。
足元に広がるマニアックだけどアートな世界は、1977年に那覇市が採用したのが全国で最初。を、宮古島らしい図柄マンホールを中心にお届けしてみましたが、なかなかオリジナリティにあふれた高いデザイン性に、他の島や他の自治体のマンホールも気になります。アナタのところのマンホールはどんなデザインがされているか、路上観察してみませんか?
【参考HP】
・マンホールミュージアム http://manhole-guild.main.jp/museum/
~その名もマンホールギルドが集めた全国の素敵な蓋がいっぱい。
・マンホールとは / 中川ヒューム管工業 http://man-hole.jp/about/
~マンホールの構造やなぜマンホールの蓋がが丸いのかなど薀蓄が色々。
・URUMAX(沖縄大百科 マンホールの蓋) http://word.uruma.jp/
~沖縄のマンホールがイロイロと集結しています。
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)
島で恐らく一番多く見かける、島唯一の公共下水道のマンホール。円の中心に平良市の市章を配し、上半分は毎年4月に開催されるトライアスロンの三種目(スイム・バイク・ラン)を、下半分に宮古島伝統の民俗芸能、「クイチャー」の踊る姿をそれぞれあしらい、中央部の左右には、「島尻のパーントゥ」が描かれています。そしてよく見ると、全体に模様のように入っている鳥型はサシバがデザインされ、なんとも盛りだくさんで賑やかなマンホールです。
こちらも旧・平良市のマンホールですが、左は、宅地の前などに設置されている汚水枡(家庭から出た排水を下水本管に)に使われているの小型のタイプ。右は路上でも確認できますが、数は少ないややレアなサイズの中型。どちらも大型のデザインからパーントゥを抜いたものですが、微妙にサシバの数が違います(中型の方が面積が大きいのにサシバが少ない)。
[左] 市場通りのカラータイルの歩道に設置されていた、コンクリートタイプの蓋。小さく市章と「汚水」と書かれたプレートがあるだけなので、賑やかな鋳鉄製と比べるとやたら地味に見えます(カラータイル舗装対応でこうなった?)。
[右] 雨水マンホール(排水とは別に、処理の必要のない雨水専用の下水管)。概ね市街の県道上で見かけるので、中心のマークは偏心二重丸の沖縄県県章が印されています。この波を円形に並べたデザインは県の事業で使われているマンホールの基本パターンのようです。この波頭のデザインはエキスポ75(沖縄国際海洋博覧会)の図案と同じ?。
【旧城辺町】
こちらは区分としては農漁業集落排水となりますが、もちろん立派なマンホールです。ポスターなどで見かけるお約束の東平安名崎の構図をデザインしたものに、平安名埼灯台(灯台の正式名には、東はつかず、崎の字も異なる)と岬に咲くテッポウユリをあしらったもの。コストはかかるでしょうが、色付だったらとても人気が出たかも知れませんね。
【旧下地町】
こちらも農漁業集落排水に区分されるマンホール。ハイビスカスのサークルの中に、与那覇湾の干潟を利用したサニツ浜カーニバルで行われる、躍動感ある宮古馬の草競馬の様子が描かれています。下地町章が円のセンターでなく、雲の中に書かれているのも面白いです。
以上、おしまいです。
合併で単一自治体になったものの、まだ宮古島市のマンホールはお目見えしていないのと、伊良部、上野の旧町村では農漁業集落排水がなく、地域オリジナルのマンホールはついに作成されませんでした。また、旧平良市内の農漁業集落排水も、平良の公共下水と同じデザインのマンホールを使っているので、旧三町村のみであっさりとコンプリートしてしまいました。
コレクションというには、あっけなさすぎでしたね。なので、宮古島までよく見かけるマンホールを少々。
[左] カラータイル舗装に擬態して設置されているマンホール。中央のマークから沖縄県管理と思われますが、通信と書いてあるので、島内ケーブルテレビの宮古テレビあたりが埋設されているのでしょうか?、中身がちょっと気になります。
[右] 蓋には電力と書かれているので、中身は沖縄電力ではないかと思われますが、沖縄電力のマークではなく県章が書かれています。撮影場所は市場通り(県道)なので、恐らく道路拡張で電線の地中化を行った関係から、使用者と管理者が異なるのでしょう。
同じライフラインなのに、なぜか電話は個別に埋設されいるようです(監督官庁の差?)。「T」の網模様の基本デザインはそのままですが、電電公社からNTTに変わってすでに20年以上が経過してもなお、公社時代のマークは健在です(磨り減り具合が絶妙ですが)。
[左] 上水道系の弁筺は普通、小さ目な蓋が多いのですが、宮古島水道局(合併により、宮古島上水道企業団と伊良部町水道課が合併して局)のマークの入った制水弁は大ぶりで、宮古島島内ではあちこちで見ることが出来ます。
[右] 農業用水の弁筺。こちらも島内の特に農村部でよく目にします。県系マンホールの波頭デザインの中心に「農」の字が入っています。
[左と中] 四角い蓋の消火栓。地域や年代によって若干様式に差異がありますが、消火栓にしては割とオーソドックスです。ちなみに伊良部・佐良浜地区の漁港には、近年少なくなった地上式消火栓が多数あります。
[右] 最後はオマケとして、多良間村上水道の制水弁(サイズは小さいタイプ)。下水系のマンホールはないのですが、村章がついているで。
足元に広がるマニアックだけどアートな世界は、1977年に那覇市が採用したのが全国で最初。を、宮古島らしい図柄マンホールを中心にお届けしてみましたが、なかなかオリジナリティにあふれた高いデザイン性に、他の島や他の自治体のマンホールも気になります。アナタのところのマンホールはどんなデザインがされているか、路上観察してみませんか?
【参考HP】
・マンホールミュージアム http://manhole-guild.main.jp/museum/
~その名もマンホールギルドが集めた全国の素敵な蓋がいっぱい。
・マンホールとは / 中川ヒューム管工業 http://man-hole.jp/about/
~マンホールの構造やなぜマンホールの蓋がが丸いのかなど薀蓄が色々。
・URUMAX(沖縄大百科 マンホールの蓋) http://word.uruma.jp/
~沖縄のマンホールがイロイロと集結しています。
(文+写真+編集:モリヤダイスケ)
Posted by あんちーかんちー編集室 at 09:00│Comments(0)
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