あんちー かんちー　沖縄・宮古島から発信のウェブマガジン！

『ブットゥルー!! ～宮古島ぴゃーすぱい物語～』、第13回「リョータの夢と、オカンと、オジィ」の巻。感動の青春巨編な、ブットゥルーはいかがでしたか？。作者は今回のＢＧＭに、GReeeeNの「遥か」をあげてくれました。このＰＶを見るとさらに泣けます。
沖縄方言の中でも難解といわれる、宮古口(みゃーくふつ：宮古の島言葉)がふんだんにちりばめられた内容なので、簡単な宮古口の解説(意訳)と、現代宮古口の言い回しや、宮古式の生活風俗などを紹介しておきたいと思います。

ぷりあほう
ぷり＝バカ＆あほうで、方言と標準語を組み合わせた相乗効果で、大変痛烈な批判言葉。
ぷりーぷり
ぷり＝バカ　ぷりーぷり＝すごくバカ。何も考えてない人。
上記のふたつは、肝っ玉オカンと息子の間だから成り立つ“愛”あるコミュニケーション。安易に使用すると大やけどの危険性がありますので、宮古方言初心者の方は特にご注意下さい。
類義語 ： “ぷりむぬ”　バカモノの意味。

４コマ目
リョータの長ゼリフ。ちょっと読みずらいかと思いますが・・・宮古の若者特有のしゃべり方。イントネーションを想像しつつ、じっくりと最後までお読みください。宮古イントネーションの判る方は、思わずうなづいてしまいたくなる長ゼリフ。映画だったらワンカット長回しでいきたいところです。

だからよね
「そうだよね」。同意の意味。
標準語のように「だから×××です」とあとに説明が続く訳ではありません。
この場合、いったんリョータのことを肯定しつつも、自分の自論をしれっと、ねじ込むオカンの一枚上手をゆく駆け引きともいえます。

ニィニィ
「お兄ちゃん」のこと。実際の血縁関係がなくとも、年齢的に上の先輩格にあたる男性への敬称として使うことが多い便利な言葉。
対義語：“ネーネー”　姉の意味で、男性同様の使用方法があるが、明らかにおばちゃんであっても、ネーネーと使ってっておくと、何かと都合のいい単語でもある。
　
んばよ
「嫌だよ」の意味。キューティーハニーの主題歌を宮古口で歌うと、「んばよ　んばよ　んばよ　みーつか　んばー」となります。

油みそ
味噌に砂糖、みりん、酒と、お好みの具(三枚肉やナマリ節など)を加え、油で炒めながら練り上げたペースト状の保存食。オキナワのご飯の友であり、島のソウルフード。コンビニのおにぎりにも登用されているほど。また、炒めものの隠し味として使ってもおすすめの調味料でもある。

ハム
この場合、ポーク缶ことポークランチョンミートのこと。商品名やメーカー名でいうところのＳＰＡＭ、ホーメル、チューリップなどのこと。戦後の米軍によってもたらされた食品で、近年は中国産やベトナム産の怪しいくらい安いものも流通している、沖縄の食卓には欠かせない食品のひとつ。他にも内地ではあまりお目にかかれないさまざまな缶詰が流通しており、沖縄の缶詰食文化の象徴する一品。

オジイのへそくり
なんとオジイは、リョータが小学校の頃こども貯金として開設した口座にコツコツコツコツと小額ずつでありながらも、今に至るまで振込を続けていたのです！！。
勿論、航平の分もありましたが、めでたく結婚した時にプレゼント済み。
オジイなりに、今がリョータにあげる時だと判断したのでしょう。
所得が決して高くはない沖縄(県最低賃金629円/2009年10月現在)ですが、家族・血族への想いの強い社会の沖縄では、いざという時には、よくある光景だったりもします。

アララガマ！
「闘魂」　「なにくそ！」　「負けないぞ！」といった意味。抑揚や使い方で色々な意味を持ちますが、これを無くして宮古は絶対に語れないほど、宮古を体現する絶対的なキーワード。

いつがみまい
「いつまでも」の意味。ミャークフツシンガー下地勇の名曲、「おばぁ」にも出てくる、どこかとても温かみのある優しさにあふれた宮古口。


【登場人物】
次男：(平良リョータ)　20歳
今年の春に本島の専門学校をなんとか卒業するも、就職も決まらず、島にも帰らず、ショップ店員のバイトでフラフラと那覇の都会暮らしを楽しんでいる。
仕送りも打ち切られたが、オジイのへそくりを譲り受け、夢に向ってなんとか頑張り中。再び、那覇へと旅立つ。



ヒロ坊おじさん　46歳
平良洋（タイラ　ヒロシ）。
オジィとオバァの次男であり、航平とリョータの叔父にあたる。
重機リース業を営む。見た目とはうらはらに、とても優しくて世話好き。ナス型サングラスは若い頃からのこだわりであり、決してEX○LEを気取っている訳ではない。


※この物語はあくまでもフィクションであり、実在の人物及び、団体とは一切関係ありません。
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(作画＋原案：.aizfactory　補文＋編集：モリヤダイスケ)